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保育業界の2023年総括と2024年の展望レポート…明日香

 保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営する明日香は2023年12月11日、「保育業界に関する2023年の総括と2024年の展望レポート」を発表した。2024年は「保育士不足解消」がすべてのカギ。そのためには業界からの発信が重要だという。

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保育業界に関する2023年の総括と2024年の展望レポート
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  • SNS上で保育士を励ますアクションが話題

 保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営する明日香は2023年12月11日、「保育業界に関する2023年の総括と2024年の展望レポート」を発表した。2024年は「保育士不足解消」がすべてのカギ。そのためには業界からの発信が重要だという。

 2023年の保育業界は、保育者による性犯罪事件や、不適切保育のニュースが相次いで発生するなど、保育士の行き過ぎた行動が話題となった1年だった。また、保育事業者が存在しない保育士が該当施設に在籍しているかのように行政に申請し、補助金を不正に得る「補助金不正受給」も発覚。保育業界を後退させる要因になったという。

 一方、政府は「異次元の少子化対策」の一環として、76年ぶりに保育士の配置基準を2024年度から見直す方針を決めた。保育士1人あたりが対応する子供の数を、現行の30人から25人に減らし手厚くする。

 しかし「増員をともなう質向上」を保育現場に求めることは、保育士不足が解消されない限り、実現は難しいと指摘。特定保育士養成施設の学生数も少子化の影響を受けて減少する中、ますます保育士という職業の魅力や価値を高めなければ、保育の成り手が増えないどころか、敬遠される職業となり、最終的には施設を利用する子供たちが不利益を被る可能性もあるとの懸念を示した。政府には配置基準見直しと並行して、抜本的な保育士の処遇改善を早急に進めることを期待するとしている。

 2024年の展望は「保育士不足解消」。そのためには、保育施設や保育士の存在意義、その実態を業界側から社会に向けて発信することが重要であると明示。また、常に子供の利益を第一に考えるという「こどもまんなか社会」の実現に向けた「こども未来戦略」の具体性にも注目する必要があるとしている。

《川端珠紀》

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