教育業界ニュース

能登半島地震、安全確保を最優先に…文科省

 文部科学省は2024年1月4日、令和6年能登半島地震により被災した児童生徒の安全確保に係る留意点などを取りまとめ、各都道府県の教育委員会などへ通知した。児童らの安全確保を最優先とし、学校開始日や受入れ体制、受検機会、教科書の取扱いなど今後の対応についてまとめている。

教育行政 文部科学省
令和6年能登半島地震について
  • 令和6年能登半島地震について

 文部科学省は2024年1月4日、令和6年能登半島地震により被災した児童生徒の安全確保に係る留意点などを取りまとめ、各都道府県の教育委員会などへ通知した。児童らの安全確保を最優先とし、学校開始日や受入れ体制、受検機会、教科書の取扱いなど今後の対応についてまとめている。

 学校開始日については、学校設置者の判断により柔軟に取り扱う。教育活動を開始する際は、施設内の安全性の確保とともに、がれきや破片の除去、立ち入り禁止の措置など当面必要となる応急復旧を行い、児童生徒らの安全に万全を期すこと。また道路の損壊などを把握し、必要に応じて通学路の変更を検討すること。視覚や聴覚に障害のある児童生徒などに対する確実な情報伝達も含め十分に配慮するよう求めている。

 さらに衛生状態を保つため、臨時の衛生検査を行うなど適切な対応を実施し、特に浸水被害があった教室などは不衛生になりやすく感染症の発生のおそれがあることから、「学校環境衛生管理マニュアル」(2018年度改訂版)の臨時検査の項目も参考にして、消毒などの措置を適切に行うことを要請した。

 加えて、学校給食を開始するにあたっては、施設設備の洗浄および消毒の徹底に努めるなど、衛生管理に留意するとともに、調理従事者の健康管理にも留意すること。特に、被害のあった施設、炊き出しへの協力などのため調理従事者以外が使用した施設では十分留意するよう注意を促している。

 学校教育活動の早期開始に向けては、適切な教育環境を確保するため、避難所が開設されている学校では避難所エリアと教育活動エリアおよびその動線について区分することや、災害廃棄物などが教育活動開始への支障とならないようにするなど関係部局と調整する。域内の公立学校が避難所となっている教育委員会では、避難所運営について防災担当部局などと調整する。

 教育活動開始にあたり、被災児童生徒らから域内の公立学校への受入れの希望があった場合には、可能な限り弾力的に取り扱い、速やかに受け入れることが望ましい。また、域内の国私立学校への受入れの希望があった場合には、各学校の状況に応じて、可能な限り受入れに努めることが望まれるとしている。

 被災児童生徒らの受検機会の確保に向けては、出願期間の延長、出願期間後の受付、提出書類の簡素化、受検日の延期、追検査の実施など、弾力的に対応するとともに、被災者支援にあたる関係機関とも連携のうえ、受検生への周知に努めるよう依頼した。

 被災した義務教育諸学校の児童生徒が転入学した場合には、通常必要となる教科用図書給与証明書がなくとも、必要な令和5年度使用教科書を無償給与できることとし、転入学前の学校で給与された教科書についても、喪失・損傷している場合には、当該教科書分をあわせて無償給与して差し支えないとしている。また、喪失・損傷した教科書の再給与にかかる費用は国庫負担がなされるため担当課間で連携を取りつつ、教科書・一般書籍供給会社などとも連携し速やかに対応するよう求めている。

 このほか、通知では学校環境衛生基準など関連URLも掲載している。

《川端珠紀》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top