文部科学省は2023年3月28日、「大学・高専における遠隔教育の実施に関するガイドライン」を公表した。大学や高等専門学校の遠隔教育の質保証、面接授業と遠隔授業を効果的に組みあわせたハイブリッド型教育の確立に向け、遠隔教育の利点や留意点等を提示している。
2022年3月に中央教育審議会大学分科会質保証システム部会の審議まとめ「新たな時代を見据えた質保証システムの改善・充実について」で、遠隔教育の質保証や面接授業と遠隔授業を効果的に組みあわせたハイブリッド型教育の確立に向けたガイドライン策定が示されたことを受け、「大学・高専における遠隔教育の実施に関するガイドライン」を取りまとめた。
ガイドラインでは、これまで通知等で示してきた遠隔授業の実施に関するおもな留意点をあらためて整理。高等教育段階における遠隔教育の実態に関する調査研究で収集した知見について、「授業運営」「学修評価」「指導体制」の3つの観点からまとめている。
具体的には、遠隔授業を活用した新たな取組みの1つに「メタバースの導入」、適切な学修評価の実施のための留意点に「不正行為の防止」、学内組織の整備に向けた留意点に「サポートスタッフの配置」等をあげている。
文部科学省は、大学や高専の設置者に向けて3月28日付で事務連絡を発出。ガイドラインを各大学・高専に周知するとともに、ガイドラインを参考に遠隔教育の質保証やハイブリッド型教育の確立に取り組むよう求めている。
なお、ガイドラインは、大学・高専における遠隔教育の実施状況や技術的な進展等を踏まえ、必要に応じて随時見直しを行う予定としている。