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教員の資質向上「指標」改定、東京都教委

 東京都教育委員会は2023年2月16日、校長・副校長および教員が成長段階に応じて求められる役割や身に付けるべき力等を自覚し、生涯にわたって資質の向上に努めていくための指標を改定し公表した。

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東京都の教育に求められる教師像
  • 東京都の教育に求められる教師像
  • 東京都公立学校の校長・副校長・教員としての資質の向上に関する指標の改正ポイント

 東京都教育委員会は2023年2月16日、校長・副校長および教員が成長段階に応じて求められる役割や身に付けるべき力等を自覚し、生涯にわたって資質の向上に努めていくための指標を改定し公表した。

 この指標は、教育公務員特例法に基づき、教師の職責、経験、適性に応じて身に付けるべき資質を明確化したもの。東京都は2017年に同指標を策定し、2020年11月には養護教諭、栄養教諭についても追加、東京都の実情に応じて指標を策定してきた。

 文部科学省は、教育公務員特例法および教育職員免許法の一部改正等を受け2022年8月、公立の小学校等の校長および教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針を改正。校長の役割と求められる資質能力の明確化(人材育成、アセスメント能力、ファシリテーション能力)とともに、教師に求められる資質能力を5つの柱で整理した。

 東京都はこれをもとに必要な事項について協議。今回、「東京都の教育に求められる教師像」および「東京都公立学校の校長・副校長及び教員としての資質の向上に関する指標」の改定を公表した。

 東京都の求められる教師像については「教育に対する熱意と使命感を持つ教師」「豊かな人間性と思いやりのある教師」「子供のよさや可能性を引き出し伸ばすことができる教師」「組織人として積極的に協働し互いに高め合う教師」の4本柱に設定。

 管理職等が求められる役割は「学校経営方針の提示」「組織づくり」「学校内外とのコミュニケーション」の3点に整理した。教育管理職候補としての主幹教諭が身に付けるべき力は教育管理職等に位置付けられた。

 また、教師が学習指導や生活指導等を個別最適かつ効果的に行うための位置付けとして「特別な配慮や支援を必要とする子供への対応」「デジタルや情報・教育データの利活用」を追加。文部科学省が示す教師に共通的に求められる資質を踏まえ、教職に必要な素養の項目を整理した。同様に養護教諭、栄養教諭についても改定している。

 今後、指標は教員研修等を通じて資質の向上を図る際の目安とする他、教員ひとりひとりが教職生活全体を俯瞰しつつ、自らの職責、経験および適性に応じてさらに高度な段階を目指す手掛かりとして活用。あわせて、管理職が教員と対話し、今後の資質向上に向けて自己を振り返らせる際の到達度の目安としても利用するとしている。

《川端珠紀》

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