凸版印刷は2023年1月26日、児童・生徒の防災レベルを引き上げるデジタル教材「デジ防災」の1月提供開始を発表した。すでに、香川県三豊市内の小中学校全26校には先行導入しているという。
頻発傾向にある自然災害に対する学校の防災教育拡充が求められる中、コロナ禍では子供たちが集まり避難訓練をすることは難しく、オンラインの防災教育には「学校のカリキュラムが忙しくて対応できない」「実効的な取組みに結びついていない」「地域・学校ごとに取組み内容や意識に格差がある」等の課題があった。
そこで、凸版印刷はこれまでに培った防災関連のサービス開発・提供の知見を生かし、デジタルデバイス上で児童・生徒が防災を学習できる「デジ防災」を開発した。
「デジ防災」の学習は、デジタルデバイスを使用し1回10~15分。防災教育学会会長の諏訪清二氏をはじめとする防災教育の専門家監修のもと、小学1年生から中学2年生まで、段階を踏んで着実に防災知識を習得できるよう、クイズ形式で各学年10コンテンツ、計80コンテンツが用意されている。
児童・生徒の回答結果は可視化され、学習内容が身に付いているかを確認することができる。さらに、データを蓄積し、クラス・単位・地域単位での防災レベルを管理し地域の防災計画に役立てることができる他、年度ごとの結果推移やウィークポイントを可視化することで、防災知識の偏りをなくす。
「デジ防災」の学習はWebブラウザを使用。教職員用の指導手引きシステムも搭載している。価格は1校あたり、在校生100人以上の学校は年間15万円、在校生100人未満の学校は年間10万円。
今後、凸版印刷は、「デジ防災」を全国の小中学校に提供し、2025年までに3.5億の売上げを目指すとともに、全国の小中学生の防災知識の底上げに貢献するとしている。