東京都教育委員会は、デジタルとリアルの最適な組み合わせにより、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を実現する「新たな教育のスタイル」を都立高校から展開していくことを発表した。
東京都教育委員会では、2019年3月に都立新国際高校(仮称)基本計画検討委員会報告書をまとめ、2024年2月に都立新国際高校(仮称)開校に向けた専門家会議の議論取りまとめを行った。これまでの議論を踏まえつつ、今後は、「新たな教育のスタイル」に基づくさまざまな先行的な取組みの実施状況も踏まえ、全面的に「新たな教育のスタイル」を実施する基幹的な学校となるよう検討を進めている。
2025年度からは、6校でデジタル教科書を導入し、授業方法などのモデルを研究する。また、学びの成果を可視化するために、LMS(学習管理システム)を試行導入し、個々の生徒の学習状況を可視化する。これにより、教員と生徒が双方向で対話できるシステムを構築することを目指している。
さらに、新分野のデジタル教材開発も進められる。データサイエンスや生成AI、アントレプレナーシップなどの分野で、民間業者と共同でデジタル教材を開発する。
都立高校生徒の国際感覚を醸成するため、ミネルバ大学との連携も進められる。これにより、課題解決に取り組む姿勢の育成を図る。また、都立高校EXPOなどの場を活用し、動画などの視覚情報を通じて都立高校の魅力を発信する。
都立新国際高校(仮称)は、理念や専門家の意見を踏まえ、「新たな教育のスタイル」を全面的に実施する基幹校として検討が進められている。学校内外での学びの場を提供し、生徒が興味に応じて主体的に学ぶことができる環境を整える。予測困難な社会の中で新たな価値や解決策を創造する人材を輩出することを目指している。