教育業界ニュース

情報活用能力、校種が上がるほど向上…文科省調査

 文部科学省は2022年12月27日、情報活用能力調査の速報結果を発表した。小中高校生の情報活用能力を得点化したところ、校種が上がるにつれて得点が高くなる傾向が見られた。

教育行政 文部科学省
問題調査から見た児童生徒のレベル別割合
  • 問題調査から見た児童生徒のレベル別割合
  • キーボードによる1分間あたりの文字入力数
  • 問題調査と質問調査のクロス分析

 文部科学省は2022年12月27日、情報活用能力調査の速報結果を発表した。小中高校生の情報活用能力を得点化したところ、校種が上がるにつれて得点が高くなる傾向が見られた。

 情報活用能力調査は、小中高校生が「情報活用能力」をどの程度身に付けているかを測定するため、2022年1月から2月にかけて文部科学省が行った抽出調査。調査対象は、国公私立の小学校161校、中学校162校、高校156校の計479校、調査人数1万4,219人。対象学年は、小学5年生(4,486人)、中学2年生(4,846人)、高校2年生(4,887人)。

 キーボードによる1分間あたりの平均文字入力数は、小学校15.8文字、中学校23.0文字、高校28.4文字。校種が上がるにつれて入力数が多くなる傾向が見られた。また、キーボードによる1分間あたりの文字入力数が15文字未満の割合は、小学校51.2%、中学校23.3%、高校9.3%だった。

 環境問題に関するWebページに書かれている内容を、正確に読み取ることができるかを問う問題の正答率は、小学生が31.5%、中学生が58.4%、高校生が73.0%。校種が上がるにつれて正答率が高くなる傾向が見られた。なお、全員に同一の問題を出題するのではなく、児童生徒ごとに異なる問題セットを出題しているため、全児童生徒の正答率ではない。

 調査問題は、全校種共通に出題した問題(138問)と発達段階にあわせて中学・高校のみに出題した問題(38問)。問題調査の結果から児童生徒の情報活用能力を得点化し、9つのレベルに分類した。たとえば、もっとも低い「レベル1」は、「ドラッグ&ドロップ等のコンピュータの簡単な操作ができる」等で、小学生の10.4%、中学生の1.3%、高校生の0.9%が該当。一方、もっとも高い「レベル9」は、「アプリケーション、システム、デジタルの特徴を理解している」等で、小学生の0.1%、中学生の1.9%、高校生の9.7%が該当する。情報活用能力の得点は、小学校<中学校<高校と、校種が上がるにつれて得点が高くなる傾向が見られた。

 問題調査と質問調査のクロス分析によると、「学校以外の場所で、インターネットを使って情報を収集する」「自分や他の人が作った作品や情報には権利があることを考えて大切にしようとする」といった肯定的な回答をした児童生徒のほうが問題調査平均得点が高い傾向が見られた。

《工藤めぐみ》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top