文部科学省は2022年11月29日、オミクロン株に対応した対策を行うため「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の変更内容を教育委員会等に通知した。給食時「なるべく少人数・基本黙食・会話時マスク着用徹底」等の記述を削除。適切な対策があれば会話可能とした。
政府は11月25日、これまでの提言や決定等を踏まえ「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を変更した。これを受け、文部科学省は各都道府県の教育委員会等へ、「ワクチン接種の促進」「給食時の感染対策」の項目の変更を通知した。
オミクロン株対応ワクチンについては、従来型ワクチンを上回る重症化予防効果等があることや、今後の変異株に対しても従来型ワクチンより効果が高いことが期待されており、「接種を希望するすべての対象者が年内に接種を完了するよう、接種促進に向けた呼びかけ等を行っていく」等に変更された。
給食時の過ごし方について、これまで「飲食はなるべく少人数で黙食を基本とし、会話をする際にはマスクの着用を徹底すること」と明記されていたが、この記述を削除。給食の時間は、座席配置の工夫や適切な換気の確保等の措置を講じたうえで、児童生徒等の間で会話を行うことも可能とし、地域の実情に応じた取組みを検討するよう求めている。
また、具体的な取組みとして、たとえば児童生徒等の心情等に適切な配慮を行ったうえで、各学校においてマスクを外す場面を設定する、マスクの着用が不要な場面において積極的に外すよう促すといったことを通じて、引き続き、活動場所や活動場面に応じたメリハリのあるマスクの着用が行われるようお願いした。
検査については、子供に頻回な検査をすることは本人や医療現場にとって負担が大きく「検査によって感染拡大防止の強化を図ることは現実的ではない」とされていることから、基本的対処方針変更にもその趣旨が反映しているとしている。