文部科学省は2022年8月31日、学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果として3月1日時点の速報値を発表した。学習者用デジタル教科書整備率は35.9%と、前年度と比べて29.7ポイント上昇した。
令和3年度(2021年度)教育の情報化の実態等に関する調査は、全国の公立学校(小学校と中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校)を対象とした「ICT環境の整備状況」と、全国の公立学校の授業を担当している全教員を対象とした「教員のICT活用指導力」を調べたもの。調査基準日は2022年3月1日。
学校のICT環境の整備状況は、教育用コンピュータ1台あたり児童生徒数が0.9人/台、普通教室の無線LAN整備率が93.3%、インターネット接続率(30Mbps以上)が98.8%、普通教室の大型提示装置(プロジェクタ、デジタルテレビ、電子黒板)整備率が81.9%、教員の校務用コンピュータ整備率が125.4%、統合型校務支援システム整備率が79.9%、指導者用デジタル教科書整備率が81.2%、学習者用デジタル教科書整備率が35.9%。いずれの項目も前年度と比べて向上した。
特に学習者用デジタル教科書は、前年度の6.2%と比べて29.7ポイント上昇した。都道府県別に見ると、「和歌山県」が49.1%ともっとも高く、「福岡県」「岡山県」「岐阜県」「三重県」「秋田県」等も高い。一方、「香川県」は19.9%ともっとも低い。
学習者用デジタル教科書整備率を学校種別に見ると、「義務教育学校」が56.6%ともっとも高く、「中学校」41.0%、「小学校」39.9%、「中等教育学校」35.3%、「特別支援学校」15.6%が続いた。一方、「高等学校」は6.5%と1割に満たなかった。
教員のICT活用指導力を4項目に分類して見ると、「教材研究・指導の準備・評価・校務などにICTを活用する能力」87.5%、「授業にICTを活用して指導する能力」75.2%、「児童生徒のICT活用を指導する能力」77.3%、「情報活用の基盤となる知識や態度について指導する能力」86.0%。いずれの項目も前年度と比べて向上した。
なお、教員のICT活用指導力は、4つの大項目と16の小項目からなるチェックリストに基づき、「できる」「ややできる」「あまりできない」「まったくできない」の4段階で自己評価を実施。「できる」「ややできる」と回答した教員の割合を、大項目ごとに平均して算出した。
この他、文部科学省のWebサイトでは、市区町村(設置者)別のICT環境整備状況も公開している。