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ICT学習サービス「navima」で日本語読解力向上…凸版印刷

 ICT学習サービス「navima」の読解力向上支援コンテンツの活用により、日本語指導を必要とする生徒の日本語読解力が向上し、テストでの得点率が上昇したことが、凸版印刷と筑波大学が行った共同研究により明らかになった。

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凸版印刷、日本語指導が必要な生徒の読解力向上支援でICT利活用による成果を確認
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 ICT学習サービス「navima」の読解力向上支援コンテンツの活用により、日本語指導を必要とする生徒の日本語読解力が向上し、テストでの得点率が上昇したことが、凸版印刷と筑波大学が行った共同研究により明らかになった。

 凸版印刷が提供するICT学習サービス「navima」は、子供ひとりひとりが自分にあった学びを見つけ、自分のペースで学びを進めることができる、子供が「主役」の学びを実現するデジタル教材プラットフォーム。小・中学校の算数・数学、国語(読解/漢字)、理科、社会、英語の5教科に対応し、個別最適化を実現した「アダプティブドリル」や解説動画等による「おたすけ機能」等を搭載。「問題を解く」というドリル学習では支援しきれなかった、学習に苦手意識を持つ子供を手厚くサポートすることができる。

 凸版印刷は、2021年12月~2022年3月にかけて、筑波大学と共に日本語指導が必要な生徒の日本語学習を支援することを目的とした共同研究を展開。茨城県内の中学校6校(阿見町立朝日中学校、同町立竹来中学校、稲敷市立江戸崎中学校、筑西市立下館南中学校、同市立関城中学校、同市立協和中学校)の生徒23名を対象に、「navima」の読解力向上支援コンテンツを活用した実証研究を進めてきた。

 実証研究では、対象生徒に対し、通常授業とは別に行う個別指導にて「navima」のコンテンツをインターネット回線により遠隔で提供。筑波大学の学生が「日本語サポーター」として、オンライン上での学習支援を行った。加えて、さらなる日本語学習を希望する生徒6名に対して、週1回50分「navima」の読解力向上コンテンツを活用した「読解クラス」を実施。少人数での学習支援を通して、より理解を深める解説内容・解説方法を探った。

 学習後、「navima」の単元構成に基づいた文法項目ごとの「読解力テスト」を実施したところ、全体で得点率の上昇がみられ、得点率が4割から9割まで上昇した生徒もいた。さらに、「男の子は 犬に のられて います」といった受け身文の理解を苦手とする傾向等、生徒がつまずきやすい項目を確認。文法項目ごとの問題を活用することにより「日本語サポーター」が担当生徒の苦手な問題を容易に把握でき、指導の効率化の効果も確認されたという。

 また、「読解クラス」に参加した生徒を対象に、実証終了時期に実施したアンケートでは、「文章を早く理解できるようになった」といった回答が得られ、少人数制の「読解クラス」設置の効果も確認されている。

 凸版印刷は今回得られた実証結果をもとに、日本語指導が必要な生徒が特につまずきやすいと思われる項目を中心に、さらに検証を行いその結果を「navima」の読解力向上支援コンテンツ強化につなげていくとしている。日本語指導が必要な生徒向けに、学校での教科を学習するうえで必要な学習言語能力の向上を目指した改修も検討し、2024年度には、有効な日本語学習支援ツールとして日本語指導が必要な児童・生徒を多く抱える自治体や、散在地域の自治体への導入を目指すとしている。
《畑山望》

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