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GIGAスクール構想に緊急提言、端末整備やネット環境…経団連

 日本経済団体連合会(経団連)は2021年10月15日、GIGAスクール構想の確実な実施に向けた緊急提言を公表した。教育現場にとって特に緊急性の高い施策として、高校生の1人1台教育用端末とセキュリティ対策を2022年度前半まで完了すべきと提言している。

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GIGAスクール構想の確実な実施に向けた緊急提言(一部)
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 日本経済団体連合会(経団連)は2021年10月15日、GIGAスクール構想の確実な実施に向けた緊急提言を公表した。教育現場にとって特に緊急性の高い施策として、高校生の1人1台教育用端末とセキュリティ対策を2022年度前半まで完了すべきと提言している。

 コロナ禍で日本の教育分野のデジタル化の遅れが顕在化し、デジタル化にいち早く取り組んだ学校とそうでない学校との格差が拡大。この事態を改善するためGIGAスクール構想の実施が前倒しされ、2021年3月末までに小中学生1人1台教育用端末の整備がほぼ完了したが、端末の本格的な活用に向けてはさまざまな課題が明らかになりつつある。

 経団連では、GIGAスクール構想の効果を最大限発揮し、Society5.0時代に求められる自律的な学びをすべての児童・生徒に保障する観点から、数ある課題の中でも教育現場にとって特に緊急性の高い施策に絞って提言を発表した。

 提言内容は、「高校生の1人1台教育用端末の整備」「教師用端末の整備」「インターネット接続環境の整備」「ソフトウェア・コンテンツの充実」の4項目。

 このうち、「高校生の1人1台教育用端末の整備」については、「高校においても小中学校と同水準の1人1台PCないしタブレット端末の整備、およびMDM等を含む端末のセキュリティ対策を令和4年度(2022年度)の前半までに完了すべき」と提言。実現の手段には「BYOD(Bring Your Own Device)」「地方創生臨時交付金の活用」「GIGAスクール補助金の高校への拡充」等が考えられるとしたが、PC・タブレット端末の導入を必須要件とし、PC・タブレットなしに私用のスマートフォンのみを端末として利用することは認められないとした。

 教師用端末については、「整備が不十分」「古いものしかない」といった声があがっており、新型コロナウイルス対策で新たな需要も生じていることから「整備拡充を進めるべき」と提言。学校のインターネット接続環境については、学校外との接続も含め、依然として課題が散見されるとし、「国の財政措置により小学校から高校まですべての学校でネットワーク環境のアセスメントを早急に実施し、その結果をもとに環境整備に向けた対応を検討すべき」とした。

 また、ハード面の環境整備が進む中、資金不足により、良質な教育アプリやコンテンツを使うことができず、十分な教育効果を上げられていない現状があることから、経済産業省のEdTech導入補助金等を例に「全国の都道府県・市町村における活用実績・効果を得るための試験的導入予算を拡充すべき」と提言した。
《奥山直美》

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