新学習指導要領の実施により、小学校では2020年から英語が教科化された。これにより、学習塾での英語指導は変化を求められている。しかし、塾の現場からは「小学校英語指導のノウハウがない」「ノウハウをもった指導者がいない」といった声があがっているという。
デジタル・ナレッジは、学習塾における小学生への英語指導に関する課題を解決するため、独自の教育メソッドをもつ「mpi松香フォニックス」と協力し、学習塾等で「小学校英語」に初めて取り組む先生のためのデジタル教材「mpi英語プログラム」を提供している。PCやタブレット、スマートフォンを使って豊富な英語をインプットでき、子供たちは英語4技能(聞く・話す・読む・書く)を自然と身に付けることができる。
自然と楽しく英語を学ぶ
茨城県内に教室を展開する「English Adventureえいごあそび」は、「ママもこどももHappyに!」をモットーに2015年3月にオープン。生徒数が増加したことから通学レッスン以外の方法を模索していたところ、新型コロナウイルス感染拡大により3か月間の休講を余儀なくされた。これをきっかけに本格的にオンライン教材を探し始め、「mpi英語プログラム」を導入したという。代表の鈴木愛理先生に、導入のきっかけや現在の活用状況を聞いた。
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--導入した経緯についてお聞かせください。
2020年、新型コロナウイルスによる1度目の緊急事態宣言の時期に教室を3か月間すべて休講したところ、子供たちのやる気と英語力が低下してしまったのです。そうした状況の中でZoomを使ったオリジナルレッスンを開始しましたが、なかなかうまくいきませんでした。そこで、何かオンラインでできる教材はないかと探し始めました。mpiの教材は以前の職場で使っていたときにその良さを体感し、「オンライン版があれば良いのに」とずっと思っていましたので、「mpi英語プログラム」を見つけたときはすぐに導入を決めました。
--どのような点が導入の決め手となったのでしょうか。
フォニックスを大事にしている点です。日本人が正しい発音を習得できる画期的な方法だと思っているので、それがeラーニングで学べるということ、そして何より楽しく取り組めるというところが良いと思いました。また、mpi英語プログラムはフォニックス・スピーチ・会話・チャンツのすべてが1つにまとまっており、最後には○×クイズもあることから、子供たちも自然と楽しく取り組むことができています。「楽しく学ぶ」は私たちが非常に大切にしている部分ですので、まさに最適な教材でした。
家庭学習の機会が増え、英語レベルがアップ
--「mpi英語プログラム」の導入で、生徒にどのような変化がありましたか。
以前はサブスク形式で週2回通学してくる子供が多かったのですが、生徒数が増えるにつれて定員がいっぱいになり、コロナ直前には週2回通っていた子供が週1回しか通えなくなるという事態が発生していました。しかし、「mpi英語プログラム」を導入したことで、「eラーニングでいつでも楽しく学習できますよ」と言えるようになりましたし、実際に子供たちの英語レベルが確実に上がってきているのを実感しています。
導入前までは「とりあえず楽しいから教室に来てレッスンを受ける」という感じでしたが、導入後は子供たちの家庭学習の機会が増え、通学レッスン前の予習にもなっています。たとえば、スピーチの授業では教室で最初にスピーチを聞いてリピートをするというレッスンを行っていますが、家で予習をしてきているので1回目ですんなりと言える子供が増えたように思います。
--保護者の反応はいかがでしたか。
eラーニングの導入を決めた当初は「通学レッスンが良いのに」という声が多く、あまり反応が良くありませんでした。しかし、導入当時はコロナ禍で一部の学校の授業がオンライン化されていたこともあり、「今から慣れておくと良いですよ。とにかく1度試してみてください」と保護者の皆さまにお話しし、お試し導入を開始しました。
そしてお試し導入後、皆さまに納得いただくことができ、今では「兄弟で一緒に使えるのが良い」「YouTubeばかり見ていたが、最近はテレビにつなげてmpi英語プログラムを楽しく学んでいる」と言っていただいています。「もっと早く知りたかった」「自分の子供時代に勉強したかった」という声も寄せられており、特にフォニックスは保護者の方も見入ってしまうと好評です。
eラーニングのメリットを最大限活用
--現在のコース設定やレッスンの流れを教えてください。
eラーニングのみ、またはeラーニング+通学レッスンのどちらかを選べます。通学レッスンのみのコースはなく、入会すると必ずeラーニングを受けられるようにしました。レッスンは、まず自宅で「mpi英語プログラム」を使ってeラーニング学習をし、オンライン授業(Zoom)を受けてから通学レッスンに来てもらいます。eラーニングをやりっぱなしではなく、オンライン授業でケアすることを保護者に説明すると安心していただけますし、子供たちもみんなしっかりと受講してきてくれています。
--eラーニング受講を定着させるために工夫されたことはありますか。
自立型学習定着のため、eラーニングを習慣化できるように子供たちには「1週間のうちのどこかでeラーニングをやってきてね」ではなく、「オンライン授業の30分前にeラーニングを終わらせてね」と伝えるようにしています。授業の30分前に組み込むことで学習が習慣化し、しっかりと学べるのでより英語力が高まると思っています。
オンライン授業では、リズムにあわせて発音リズムを身に付けるチャンツや、級で学んだことに関するクイズを積極的に行っています。子供たちは勉強しているという感覚がないくらい楽しく学ぶことができ、オンライン授業が大好きなようです。授業の前にしっかりとeラーニングを終わらせるというのが習慣化してきており、自立型学習が定着してきたことが本当に良かったと思います。
また、mpi英語プログラムにはワークブックがありますので、eラーニングを見ながら、Zoom授業を聞きながら自宅でワークブックに取り組み、それを通学レッスンに持ってきてもらい丸付けをしています。「ここからここまでやってきてね」と伝えるとやってこない子供もいますが、eラーニングを見ながら、Zoom授業を聞きながらですと宿題という感覚なく取り組めるので、確実にワークブックをできるようになっています。この点も事前学習の定着化につながっていると感じますし、通学レッスンではなかなかできなかった書く学習を自宅で取り組めるようになったことも導入して良かった点です。
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--学習管理機能はどのように活用されていますか。
月に1度、学習内容と進捗状況を保護者にメールでお送りしています。「やりっぱなしで終わりではない」ということをアピールできるので、他の英語教材やタブレット学習との差別化につながっています。子供たちひとりひとりの学習内容や進捗状況を確認でき、保護者にも共有できるのでとても助かっています。中学生になると親子の会話が減るケースも多くありますが、子供が学習状況を話してくれなくても保護者がしっかりと把握できるので良いという声もいただいています。
「mpi英語プログラム」を初めて生徒数は倍増
--改めて、コロナ禍で英語教室を取り巻く環境はどのように変化しましたか。
はじめは、「子供たちのモチベーションをどうキープするか」を考えることが多かったように思います。教室が休講している間に英語に触れたり学んだりする習慣がなくなり、そのうち英語の勉強がどうでもよくなってしまい、積み重ねてきたものすべてを忘れてしまうのではと。また、何らかの形で授業を続けてほしいという気持ちが保護者や生徒にあることは感じていたものの、eラーニングがどのように受け止められるかについてはやはり不安もありました。
しかし、学校でのGIGAスクール構想の推進や、授業のオンライン化が進んでいることもあり、お試し導入をすることですぐに生徒や保護者からの理解を得ることができました。結果として「mpi英語プログラム」を始めてから生徒数は倍増しました。今後もしまた休講を余儀なくされてもeラーニングがあるのでとても安心感があります。どのような状況でも授業を止めずに進めることができる手段を手に入れたのはとても大きいと思います。
ひとりひとりが学習できる環境を作りたい
現在、仕事復帰される保護者も増えてきており、「子供たちの勉強を見られない」という声も教室へ届いていると鈴木先生は言う。同教室では、ゆくゆくは教室を自習室の形式にし、ひとりひとりがeラーニングに取り組める形をとる予定だそうだ。子供に自立型学習の習慣を身に付け、楽しんで学ぶことができる「mpi英語プログラム」は、いきいきとした英語学習を進めることができるだろう。
デジタル・ナレッジ「mpi英語プログラム」