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コロナ休校、教育段階高いほど長い…OECD調査

 新型コロナウイルスによる全面休校の日数は、教育段階が高いほど、学校の完全閉鎖期間が長い傾向にあることが、OECD(経済協力開発機構)が2021年9月16日(現地時間)に発表した調査結果より明らかになった。

教育行政 その他
School closure during the pandemic (c) OECD2021
  • School closure during the pandemic (c) OECD2021
  • Education at a Glance2021
 新型コロナウイルスによる全面休校の日数は、OECD加盟国平均で、就学前教育では通常の年間総授業日数の約28%、後期中等教育では56%以上と、教育段階が高いほど、学校の完全閉鎖期間が長い傾向にあることが、OECD(経済協力開発機構)が2021年9月16日(現地時間)に発表した調査結果より明らかになった。

 「図表で見る教育(Education at a Glance)」は、世界の教育の現状を測った比較可能な公的統計データを収録している。OECD加盟38か国の他、アルゼンチン、ブラジル、中国、インド、インドネシア、ロシア、サウジアラビア、南アフリカの教育制度を分析。今回は、「The State of Global Education - 18 months into the pandemic」と題した特集が掲載されている。

 教育段階が高いほど、学校の完全閉鎖期間が長い傾向にあることが明らかになった。全面休校の日数は、OECD加盟国平均で、就学前教育では通常の年間総授業日数の約28%、後期中等教育では56%以上にのぼる。このことは、学習の公平性に影響を与えている。世界中の教育制度の大半がオンライン学習に移行したが、恵まれない環境にある児童生徒は、自宅で効果的な学習が難しい可能性がある。休校により、多くの国々で非常に多くの学習機会が失われている。

 新型コロナウイルスへの教育面の対策を支援するため、3分の2の国々が2020年に公的教育支出を増やし、約4分の3の国々が2021年に増やすと報告している。これらの投資を維持することは、学習の喪失を回復させたり、教師が児童生徒の個別のニーズに合わせた学習戦略を立てられるよう彼らの能力を高めたり、教育にテクノロジーを統合したりすることにも投資を活用できるようにするために重要だという。

 マティアス・コーマンOECD事務総長は、「新型コロナウイルスのパンデミックで、健康、経済、社会が大きな打撃を受け、真の社会的流動性を妨げているいくつかの制度的弱点が浮き彫りになった。機会の平等は、民主主義社会を強く団結させる重要な要素である。教育は、結果に対処する政策とは異なり、機会の不平等の原因に取り組むことができる。より良い、より適切な教育への投資を促進することは、各国が長期にわたる経済社会の繁栄を実現するカギを握っている」と述べた。
《工藤めぐみ》

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