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情報モラル教育のカギはICT活用の日常化、LINE報告書

 LINEみらい財団は、「1人1台端末環境におけるICT活用と情報モラル教育の実践に関する調査」の報告書を公開した。過去1年以内に情報モラル教育を自ら指導した経験がある教員は、小学校で89.1%、中学校で81.5%。教員自らによる指導が重要性を増している。

事例 ICT活用
1人1台端末環境におけるICT活用と情報モラル教育の実践に関する調査報告書
  • 1人1台端末環境におけるICT活用と情報モラル教育の実践に関する調査報告書
  • ネットトラブルの発生のタイミング
  • 情報モラル教育の指導経験有無
  • 児童・生徒へのICT活用指導得意意識 × 情報モラル教育得意意識
  • 児童・生徒の変化の内容
 LINEみらい財団は、「1人1台端末環境におけるICT活用と情報モラル教育の実践に関する調査」の報告書を公開した。過去1年以内に情報モラル教育を自ら指導した経験がある教員は、小学校で89.1%、中学校で81.5%。教員自らによる指導が重要性を増している。

 調査は、学校現場で今後求められる情報モラルの内容や教育実践手法、課題等を可能な限り明らかにすることが目的。東京都教育委員会、熊本市教育委員会、戸田市教育委員会、上越教育大学附属小学校・中学校、福岡雙葉学園が協力した。調査対象は、1人1台端末環境が整っている学校の教員・管理職。有効回答数は、教員926人(小学校651人、中学校275人)、管理職133人(小学校96人、中学校37人)。調査期間は2021年2月~3月。

 管理職に回答によると、小学校、中学校ともにネットトラブルが校内(授業時間中、授業時間外)で起きている。中学校の校内でのネットトラブルは「授業時間中」63.0%、「授業時間外」85.2%。小学校は「授業時間中」27.7%、「授業時間外」40.4%。中学校の校内でのネットトラブルは小学校の2倍以上となっており、家庭の問題だけでなく学校内の問題にもなっていることがわかった。

 教員の回答によると、1人1台端末環境において過去1年以内に情報モラル教育を自ら指導した経験がある教員は、小学校で89.1%、中学校で81.5%。教員自らによる指導が重要性を増していることがうかがえる。

 小学校、中学校ともに授業でのICT活用頻度が高い教員ほど、児童・生徒のICT活用指導を得意とする傾向があった。また、児童・生徒のICT活用指導に得意意識がある教員ほど、情報モラルの指導を得意と考える傾向にある。ICT活用の日常化が情報モラル教育のカギとなることが示唆された。

 情報モラルの指導後に教員の約4割が、児童・生徒の私的なネット利用への変化を感じていた。「児童・生徒の意識が高まった」が小学校82.7%、中学校69.2%ともっとも高く、他にも「相談が増えた」「トラブルが減った」といった行動・結果変容にまで現れている。自由回答では、校外の児童・生徒のネット利用の適正化のためには家庭との連携も重要であることが明らかになっている。

 今回の調査結果を受けてLINEみらい財団は、「今後の情報モラル教育実践のあり方をあらためて考える時期にある」と分析。「教員の意識や努力だけに依存するのではなく、1人でも多くの教員が無理なく情報モラルを指導できる『仕組み』を整えることが必要」だと述べている。
《外岡紘代》

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