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小学生のネット依存4.2%、利用時間が長いほど高率

 小学生のネット依存は4.2%にのぼり、平日4時間以上ネットを利用している群では17.6%と、利用時間が長いほど高率だったことが、富山大学の調査結果より明らかになった。

事例 ICT活用
平日のネット利用時間とのネット依存、危険行動との関係
  • 平日のネット利用時間とのネット依存、危険行動との関係
  • ネット依存の関連要因
 小学生のネット依存は4.2%にのぼり、平日4時間以上ネットを利用している群では17.6%と、利用時間が長いほど高率だったことが、富山大学の調査結果より明らかになった。

 富山大学地域連携推進機構地域医療保健支援部門の山田正明助教と関根道和教授らは、富山県教育委員会が実施した「とやま安心ネット・ワークショップ事業」の一環として、2018年7~9月に富山県内の4~6年生の小学生1万3,092名を対象にインターネット(ネット)利用について調査した。全体の回収率は94.2%、最終分析数は1万2,130名(90.4%)。

 ネット依存は、男子で5.2%、女子で3.2%、全体で4.2%にのぼる。オンライン上の危険行動については、課金の経験が21.6%(男子31.3%、女子11.5%)、動画投稿は6.6%(男子6.6%、女子6.6%)、けんかなどの人間関係のトラブルは5.2%(男子7.0%、女子3.1%)、ネット上で知り合った知らない人と会った経験は2.4%(男子3.5%、女子1.4%)だった。

 また、危険行動の割合から、40人学級の場合、ネット依存の状態である児童は平均で2名程度、知らない人と会った経験のある児童は1名程度存在することになる。

 平日のネット利用時間とのネット依存、危険行動との関係を調査したところ、ネット依存は平日4時間以上ネットを利用している群で17.6%と、利用時間が長いほど高率だった。危険行動では、課金や動画投稿、人間関係のトラブルは、ネット利用2時間以上の群で高率だった。このことから、「ネット依存の予防には使用時間を2~3時間未満にすること、危険行動の予防は、使用時間だけではなく、使用方法に関する啓発が重要である」と山田正明助教らは分析している。

 ネット依存と生活習慣、家庭環境との関連について、ポワソン回帰分析を行った結果、ネット依存に対しては、ネット利用時間と運動不足、遅い就寝時間といった児童自身の生活習慣と強い関連を示した。このことから、「親が家庭でルールを作る、親子の会話を増やす、子どもが友人を作れるような環境(習いものや親子で参加する講座など)をつくることが、ネット依存への予防法である」という。
《工藤めぐみ》

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