大阪大学は2025年1月29日から、スマートフォン上で表示されるデジタル学生証・教職員証の提供を開始する。国立大学法人では最大規模となる約3万300人の学生および教職員を対象に導入される。スマートフォンを使用することで、キャンパスライフの利便性向上と業務効率化を図る。
このデジタル学生証・教職員証は、大阪大学公式スマートフォンアプリ「マイハンダイアプリ」の新たな機能として提供される。これにより、大阪大学の学生・教職員は自身のスマートフォンで学生証・教職員証を簡単に提示することが可能になる。
従来提供していた物理的なカードに比べ、発行、紛失や磁気データ消失による再発行などにかかる手間や費用が削減されることが期待される。また、セキュアな認証やスクリーンショット対策などといったなりすまし防止の仕組みも備えているため、より安心・安全で快適なキャンパスライフを実現する。
なお、従来の物理カードとの並行運用も可能(社会的認知が得られたと判断されるまで)とし、スムーズな移行に繋げる。
デジタル学生証・教職員証の提供と同時に、「マイハンダイアプリ」にはプッシュ通知機能を追加し、学生・教職員が大学からの大事なお知らせを見逃さないよう機能強化を図る。
大阪大学理事・副学長(兼)OUDX推進室長の尾上孝雄氏は「デジタル学生証・教職員証の導入は、構成員の利便性向上と大学の業務効率化に大きく寄与します。デジタルデバイスを活用して、より快適で安全なキャンパスライフを送ることが可能となり、教職員の負担軽減にもつながります。大阪大学は今後も先進的な取り組みを通じて、教育の質向上に努めてまいります」とコメントしている。
大阪大学は、デジタル学生証・教職員証の導入を皮切りに、デジタル化による変革を力強く推進している。これは、単なる従来型身分証の電子化ではなく、便利で快適なキャンパスライフの実現に向けた大学全体のDXを加速させるための戦略的な取組みである。
将来的には、顔認証やQRコード等を活用した学内施設へのスムーズなアクセス、授業の出欠確認、各種証明書の発行など、さまざまなサービスへの展開を検討している。また、学外の人々への発行も視野に入れ、その利便性を大学全体、そして社会へと広げていきたいとしている。
さらに、この取組みで得た知見や経験は、積極的に他大学や他機関と共有し、日本全体のDX加速化に貢献していくという。デジタル技術の進化とともに、大学教育や学生生活のあり方も大きく変わろうとしている。大阪大学の挑戦が、日本の高等教育のデジタル化にどのような影響を与えるか、今後の展開が注目される。