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大学の国際研究交流は回復傾向…最多は東大

 文部科学省は2025年6月12日、2023年度の国際研究交流の概況について調査結果を公表した。新型コロナウイルス感染症の影響を受けて激減していた派遣研究者数、受入研究者数は回復傾向がみられた。機関種類別では国立大学が多く、派遣、受入れともに「東京大学」が最多であった。

教育行政 文部科学省
海外への派遣研究者数(総数/短期/中・長期)の推移
  • 海外への派遣研究者数(総数/短期/中・長期)の推移
  • 海外からの受入研究者数(総数/短期/中・長期)の推移
  • 機関種類別派遣研究者数の推移(短期)
  • 機関種類別派遣研究者数の推移(中・長期)
  • 機関種類別受入研究者数の推移(短期)
  • 機関種類別受入研究者数の推移(中・長期)
  • 派遣研究者数の多い大学等研究機関
  • 受入研究者数の多い大学等研究機関

 文部科学省は2025年6月12日、2023年度の国際研究交流の概況について調査結果を公表した。新型コロナウイルス感染症の影響を受けて激減していた派遣研究者数、受入研究者数は回復傾向がみられた。機関種類別では国立大学が多く、派遣、受入れともに「東京大学」が最多であった。

 国際研究交流状況の調査は、諸外国との年間の研究交流状況などを把握し、国際交流推進施策に関する基礎資料とすることを目的に文部科学省が毎年実施。2023年度調査は未来工学研究所に委託し、国公私立大学、高等専門学校、独立行政法人など849機関から有効回答を得た。

 海外への短期派遣研究者数は、調査開始以降、2018年度まで増加傾向がみられたが、2020年度は著しく減少。2023年度は10万6,613人で、新型コロナウイルス感染症発生以前には及ばないものの、前年度より5万2,640人増え、回復傾向がみられた。

 中・長期の派遣研究者数は、2008年度以降はおおむね4,000~5,000人の水準で推移してきたが、2020年度に大きく減少。2023年度は3,623人(前年度比378人増)と、2022年度に続き増加し、新型コロナウイルス感染症流行以前に近い水準に回復しつつある。

 海外からの短期受入研究者数は、東日本大震災などの影響で2011年度にかけて減少し、その後の4年間で回復。2020年度に著しい減少がみられたが、2023年度は前年度比6,388人増の1万4,472人と、回復傾向がみられた。

 中・長期受入研究者数は、2000年度以降おおむね1万2,000人~1万5,000人の水準で推移していたが、2020年度に大きく減少。2023年度は前年度比697人増の1万2,793人と、従来の水準に回復している。

 機関種類別の研究者交流状況をみると、派遣・受入れともに国立大学が多い。2023年度の短期派遣研究者数は、国立大学が前年度比2万6,796人増の5万7,611人、私立大学が前年度比1万7,036人増の3万1,431人。中・長期派遣研究者数は、国立大学が前年度比140人増の1,963人、私立大学が前年度比129人増の1,224人。

 派遣研究者数の多い大学等研究機関は、短期、中・長期ともに「東京大学」が1位。総数(短期+中・長期)は、1位「東京大学」7,811人、2位「京都大学」5,046人、3位「東北大学」3,976人、4位「大阪大学」3,954人、5位「早稲田大学」3,853人だった。

 受入研究者数は、国立大学などの短期受入研究者数が総数の約8割を占めており、2023年度は前年度比5,214人増の1万1,486人。中・長期受入研究者についても、国立大学などが総数の約6割を占め、2023年度は前年度比537人増の8,173人。

 受入研究者数がもっとも多い大学等研究機関についても、短期、中・長期いずれも「東京大学」が1位となった。総数(短期+中・長期)は、1位「東京大学」3,017人、2位「京都大学」2,092人、3位「東北大学」1,488人、4位「早稲田大学」1,108人、5位「大阪大学」1,017人。トップ5は、派遣研究者数の多い大学と同じ顔触れとなった。

《奥山直美》

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