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日本人学生の海外留学、前年度比53%増の9万人に回復

 文部科学省は2025年4月30日、「日本人学生の海外留学状況」と「外国人留学生の在籍状況」について、調査結果を公表した。日本人学生の海外留学者数は、入国制限が緩和され始めた2021年以降、大幅に回復しており、2023年度は前年度比53.3%増の8万9,179人となった。特に1か月未満の短期留学が大幅に増えている。

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 文部科学省は2025年4月30日、「日本人学生の海外留学状況」と「外国人留学生の在籍状況」について、調査結果を公表した。日本人学生の海外留学者数は、入国制限が緩和され始めた2021年以降、大幅に回復しており、2023年度は前年度比53.3%増の8万9,179人となった。特に1か月未満の短期留学が大幅に増えている。

 日本学生支援機構は毎年、日本人学生の海外留学状況や外国人留学生の在籍状況の調査を実施。今回、最新の調査結果を取りまとめた。文部科学省は、OECDなどによる統計をもとに、日本人学生の海外留学者数を集計し、日本学生支援機構の最新の調査結果とあわせて公表した。

 日本学生支援機構の「日本人学生留学状況調査」によると、大学等が把握している2023年度の日本人学生の海外留学者数は、前年度比3万1,017人(53.3%)増の8万9,179人。入国制限が緩和され始めた2021年以降、大幅な回復傾向にある。特に1か月未満の短期留学が大幅に増えており、前年度比で約100%増加している。

 留学者数の多い国・地域は、アメリカ合衆国1万3,517人(前年度比13.8%増)、オーストラリア9,163人(前年度比48.1%増)、韓国8,384人(前年度比79.2%増)。地域別でみると、アジア諸国への留学者数が対前年度比で約110%増えている。

 OECD、ユネスコ、米国国際教育研究所(IIE)などの2022年統計をもとに文部科学省が集計した結果によると、海外の機関が把握している日本人学生の海外留学者数(おもに長期)は、前年比7,379人(17.7%)増の4万8,991人。留学者数の多い国・地域は、アメリカ合衆国1万6,054人(前年比19.4%増)、台湾7,323人(前年比31.1%増)、中国7,078人(前年比23.7%増)。新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着き、留学する学生数は回復傾向にあるという。

 一方、日本学生支援機構の「外国人留学生在籍状況調査」によると、2024年5月1日現在の外国人留学生数は、前年度比5万7,434人(20.6%)増の33万6,708人。世界的に外国人留学生数が増加している中、日本でも多様な国・地域から外国人留学生を受け入れており、留学生総数は過去最多となった。

 外国人留学生数の多い国・地域は、中国12万3,485人(前年度比6.9%増)、ネパール6万4,816人(前年度比71.1%増)、ベトナム4万323人(前年度比11.0%増)。在学段階別にみると、高等教育機関については準備教育課程を除くすべての学種で外国人留学生数が増加。日本語教育機関については、日本語教育機関を対象に調査を開始した2011年度以降過去最多となった。出身国(地域)別では、特にアジア圏の国・地域で大幅な増加となった。

 調査結果の詳細は、文部科学省や日本学生支援機構のWebサイトで確認できる。

《奥山直美》

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