新学社は2026年9月9日、全国の小中学校教員1,019人を対象に実施したGIGAスクール構想で導入された端末の持ち帰り運用と家庭学習支援に関する調査の結果を公表した。夏休みにGIGA端末を持ち帰らせた学校は半数以上にのぼる一方、端末の管理や家庭での利用環境、学習支援における課題が明らかになった。
同調査は、2026年8月21日~8月24日にかけて、小学校教員505人、中学校教員514人の計1,019人を対象に実施したもの。
調査によると、GIGAスクール構想の推進により端末の持ち帰り運用が進む一方、家庭学習におけるデジタル活用の方法や指導体制には、地域や学校ごとに違いがみられた。端末を持ち帰らせても、家庭学習でGIGA端末を利活用することに課題を感じている教員もいる。
2026年の夏休みにGIGA端末を「全学年で持ち帰らせた」学校は、小中学校ともに半数にのぼった。中学校では全学年での持ち帰りの割合が小学校より高い一方、小学校では「一部学年のみ持ち帰らせた」割合が約3割を占めた。小学校では、高学年になるほど持ち帰り率が高くなる傾向もみられた。
一方、夏休みにGIGA端末を持ち帰らせていない理由では、「端末の破損・紛失の懸念」が38.6%でもっとも多く、ついで「目的外利用など家庭内トラブルの防止」と「持ち帰りの必要性やメリットがない」がともに33.0%となった。端末の破損・紛失や家庭での利用に対する懸念が、持ち帰りを進めるうえでの課題となっている。
家庭学習の宿題形式は、通常月、夏休みともに「紙教材とデジタル教材の併用」がもっとも多かった。ついで「紙教材のみ」が約2割を占め、「デジタル教材のみ」を上回った。GIGA端末の整備が進む一方、家庭学習では紙教材も引き続き活用されていることがわかった。
夏休みに持ち帰ったGIGA端末の活用法は、小中学校ともに「デジタル教科書・教材(AIドリルなどを含む)」や「学校から配信された課題(プリント、ワークシートなど)」が中心となった。授業や日常の学習の延長として端末を活用している状況がうかがえる。
家庭でのGIGA端末利用では、児童生徒からの問合せや困りごともみられた。「ログインIDやパスワードがわからない」と「Wi-Fiに接続できない」がともに24.4%でもっとも多く、「画面がフリーズする・アプリが動かない」が21.6%で続いた。学習内容に取り組む前のログインや接続、端末・アプリの動作に関するつまずきが一定数生じている。
児童生徒が自立して学習を進めるための支援機能について、「1人でも学びやすくなるための支援機能(ヒント提示や解説など)の必要性について、教科による違いを感じるか」と尋ねたところ、25.1%が「大きく感じる」、59.2%が「ある程度感じる」と回答した。あわせて84.3%の教員が、教科によって支援機能の必要性に違いを感じていることになる。
具体的な違いについては、「算数・数学は解法の手順を1つずつ確認する必要があり、途中式のどこでつまずいたか把握しにくいため、段階的なヒントの必要性を強く感じます。理科・社会は用語の意味を調べれば理解が進みやすい面があります」(30代・男性・中学校教員)、「理科や社会は動画や画像などがあるとわかりやすい」(40代・女性・小学校教員)などの声が寄せられた。教科の特性に応じた支援機能が求められている。
「家庭学習をより充実させるために、今後あったらよいと思うもの」を尋ねたところ、「ひとりひとりに最適な問題配信機能」が38.6%でもっとも多く、ついで「AIによる個別学習支援機能」が31.6%、「AIによる質問対応機能」が29.1%となった。児童生徒の理解度や学習状況に応じた個別最適な学習を支援する機能へのニーズがうかがえる。
今回の調査では、GIGA端末の持ち帰りが進む一方、端末の管理や家庭での利用環境、学習支援などに課題があることがわかった。また、教員からは、児童生徒が1人で学習を進めるためのヒントや解説、個別最適な問題配信、AIによる支援機能などを求める声が寄せられている。














