文部科学省の松本洋平大臣は、2026年9月4日の記者会見で、学歴YouTuberが公開した福島大学の研究を揶揄する動画について、「学生や教職員の尊厳を傷つけるような言動はあってはならない」と述べ、大学の研究力について「偏差値をもって判断することは適切ではない」との考えを示した。
問題となった動画は、8月末に学歴YouTuberが公開したもので、福島大学の原子力や放射能に関する研究を揶揄するような発言があった。これについて松本大臣は、福島大学長がコメントを公表し、動画が削除され、配信者が謝罪したことを承知していると説明。大学がそれぞれの強みや特色を生かして研究力を強化することが重要と強調した。
福島大学については、原子力災害や環境放射能、再生可能エネルギー、地域防災、復興などの分野で先導的な研究成果を上げていると評価。燃料デブリの性状把握手法や放射性核種の分析法の開発、東京電力と共同で廃炉研究や人材育成を進める研究拠点の設置などにも触れ、研究実績を紹介した。
大学の研究力については「偏差値をもって判断することは適切ではない」と指摘。多様な定量的指標に加えて、定性的指標も適切に組み合わせる必要があるとしたうえで、「学生が能力を身に付けられる学びの密度の高い環境をもつ大学が評価されるべき」との考えを示した。文部科学省では現在、大学の認証評価制度の見直しを進めており、「学生が大学教育を通じてどれだけ成長したか」という観点から教育の質を評価・公表する新たな評価制度の構築を検討しているという。
一方、市町村教育委員会の約2割で指導主事が配置されていないとの調査結果については、「教育委員会が学校を適切に指導・支援するためには、学校教育に関して高い専門性を有する指導主事の役割が一層重要になっている」と強調。小規模な市町村ほど指導主事の配置率が低い傾向にあるとし、校長経験者などを指導主事に準ずる者として配置するほか、都道府県からの派遣、近隣市町村による共同設置などの対応策を紹介。文部科学省として、有識者会議の報告書や先行事例をまとめた手引きを周知するなど、市町村の体制整備を支援していくとした。
このほか、2026年度の世界文化遺産の推薦候補に彦根城が選定されたことについて、江戸時代の大名による統治システムを具体的に示すものとして、顕著な普遍的価値が認められうると評価されたことを説明した。地元が課題や指摘に粘り強く対応してきたことにも敬意と感謝を示し、9月中のユネスコへの暫定推薦書の提出をはじめ、関係自治体と連携して必要な準備を進めていくとした。
また、9月6日から10日までベトナムとカンボジアを訪問し、教育、科学技術、文化分野での協力について両国政府関係者と意見交換する予定を説明。「両国とのさらなる連携を図り、協力関係を深化させていきたい」と決意を述べた。







