「ギフテッド」などと呼ばれる特異な才能のある児童生徒のための特別の教育課程を検討する文部科学省の教育課程部会ワーキンググループは2025年11月13日、対象となる教育活動について、算数・数学や理科などとする方向性を示した。
特定分野で優れた才能をもつ児童生徒は、認知・発達の特性などから、自分の得意なことを伸ばす機会が得られず、学校生活になじめないことがあるとされる。
文部科学省では、2021年6月に「特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議」を設置し、2022年12月に審議まとめを公表。「特定分野に特異な才能のある児童生徒に係る特別の教育課程ワーキンググループ」では、特別の教育課程を必要に応じて編成・実施可能とする仕組みについて、具体的に検討している。
11月13日の会合では、特異な才能が発揮できる特別の教育課程について、まずは一定数の事例を創出したうえで、運用上の成果・課題を踏まえて随時仕組みを改善していくという案を示した。対象の児童生徒であっても、特別の教育課程で実施する活動以外は、他の児童生徒とともに、基本的に通常の教育課程に基づく教育活動の中で学ぶことを前提とすることも再確認した。
特別の教育課程で実施する特性に応じた高度な内容に係る部分(対象活動)は、算数・数学や理科などの教科などに関する認知的な側面に着目し、学校内外で実施することを基本に据える。その際は、「対象活動を実施することで、学習上の困難の軽減・解消が期待できるか」「学級での他の児童生徒や教師との関係構築の観点から効果的か」などに留意する。
対象活動を実施する場合は、「総合的な学習の時間の一部または全部」「各教科の一部または全部」「総合的な学習の時間・各教科の一部または全部」のパターンを想定。実施方法例には、高校などでの授業受講、オンラインを活用した大学講義の受講などをあげている。
制度の詳細や実務に係る事項については今後、「運用の手引き(仮称)」で整理することを想定している。









