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【高校受験2026】東京都立高の入試報告書…ネット出願をIB選抜や外国人選抜に拡大

 東京都教育委員会は2025年9月25日、2026年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書を公表した。インターネット出願は、国際高校の国際バカロレアコース選抜や在京外国人生徒等対象の選抜でも導入。中学校から都立高校へ紙で提出する書類はデジタル化を見送り、郵送とする。

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令8年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書
  • 令8年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書
  • 令8年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書 、目次
  • 多様な生徒の受入環境充実に向けた再編「深沢高校」
  • 通信制課程における前期選抜の実施方法

 東京都教育委員会は2025年9月25日、2026年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書を公表した。インターネット出願は、国際高校の国際バカロレアコース選抜や在京外国人生徒等対象の選抜でも導入。中学校から都立高校へ紙で提出する書類はデジタル化を見送り、郵送とする。

 報告書は、東京都教育委員会が2025年5月に設置した「令和8年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会」が、2025年度(令和7年度)入学者選抜を検証し、2026年度以降の改善策などを検討した結果を取りまとめたもの。

 2026年度入学者選抜では、困難を抱える生徒の多様なニーズに応えるため、深沢高校で、学力検査の得点と調査書点の比率について7対3と10対0の両方の方法で算出しどちらか高い方を本人の得点とする新たな選抜方法を導入する。今後については、同校の取組みの成果や実施状況などを十分検証し、ニーズを把握したうえで、慎重に検討する。

 仮に深沢高校において第二次募集を行う際には、従来の分割後期募集で実施している6対4と10対0の両方の方法で算出しどちらか高い方を本人の得点として選抜。追検査を実施する際には、第一次募集の追検査であることを踏まえ、第一次募集と同様の比率である7対3と10対0の両方の方法で算出しどちらか高い方を本人の得点として選抜する方向で進める。

 専門学科の入学者選抜では、中学校3年間の学習の成果をみるため、現行制度同様、引き続き一律5教科の学力検査を実施する。各高校の特色やスクールポリシーに応じて実施する検査内容を、学校ごとに実態に応じて定められるようにすることについては、引き続き検討する。

 定時制課程では、これまで第二次募集にのみ志願変更の機会を設けてきたが、2026年度入学者選抜では、志願変更は行わない方向で進める。

 インターネットを活用した出願および合否照会は、志願者の入力など一部で改修を行い、継続実施する。国際高等学校の国際バカロレアコース選抜(1月実施)や在京外国人生徒等対象の選抜(2月実施)においても、インターネットを活用した出願を導入する。なお、出願に際して中学校から都立高校へ紙で提出される書類については、将来的にデジタル化を目指す。

 在京外国人生徒等対象の選抜におけるインターネットを活用した出願については、今後、導入する方向で進めているが、具体的な方法については、さまざまな事項を想定してこれから検討する。

 自己PRカードは、これまで推薦選抜など面接を実施する学校に出願する場合は出願時に、面接を実施しない学校に出願する場合は合格後に当該校に提出していた。しかし、中学校から進学先高校へ提出するキャリアパスポートには自己PRカード記載の内容が含まれていることから、推薦選抜など面接を実施する都立高校に出願する場合のみ提出に変更する。

 またルビ付問題の配慮申請において、申請理由の記載欄を削除する。在京外国人生徒等対象の選抜では、日本語により作文等を実施する場合、すべてての受検者に対してひらがなのルビを振った問題で実施することとし、ルビ付問題の配慮申請を不要とする。

 2026年度から変更となる通信制課程における前期選抜・後期選抜および全日制課程の分割募集の廃止は、志願者が必要な情報を得られるよう、都から発行する案内冊子やリーフレットなどによりできるだけ早期かつ確実に情報を発信するとしている。

 東京都教育委員会は、2026年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目において詳細を定めた。入学者選抜における調査書の取扱い、専門学科における選抜方法、在京外国人生徒等対象の選抜におけるインターネットを活用した出願および合否照会、中学校から都立高校へ提出される出願書類については、引き続き検討を予定している。

《川端珠紀》

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