文部科学省のあべ大臣は2025年9月19日の記者会見で、スポーツ庁の新長官にパラリンピック競泳の金メダリストで日本パラリンピック委員会の組織マネージメント経験をもつ河合純一氏が就任すると発表した。また在外教育施設の安全対策や相次ぐ教員の児童生徒性暴力などについて言及した。
スポーツ庁の室伏広治長官は任期5年となり9月30日で退任が決まっており、10月からは新長官の河合純一氏が就任する。あべ大臣は、河合氏のこれまでの実績・経験から、長官として最適であるという風に判断したと述べ、特に部活動の地域展開の着実な推進に期待していると語った。
会見では、海外にある日本人学校など「在外教育施設」の安全対策強化について言及があった。あべ大臣は、「未来ある子供の命が奪われるということは2度とあってはならない」として、子供たちが安心して教育を受けられる環境を整える必要性を強調。危機管理マニュアルの見直しやオンライン研修の導入など体制整備を進めるとした。
相次ぐ教員による性暴力問題についても触れ、教員性暴力防止法の趣旨を踏まえた対応を行うこと、教育長など都道府県・指定都市教育委員会への指導を行っていることを明らかにした。特に児童や生徒と教員が密室で接する機会を減らす努力や、教育委員会以外の相談窓口の設置などを推奨し、関係省庁と連携して一層推進する意向を示した。
このほか、自民党総裁選について記者から質問が及んだが、あべ大臣は文部科学大臣としての立場を理由にコメントを控えた。さらに、香川県の旧県立体育館の解体工事で、公金支出を差し止めるよう求める声があがっていることに関して質問があったが、将来的な制度化も見据えながら建築、景観を巡る普及啓発、人材育成、拠点形成などについて議論を進めているところとの回答にとどめた。