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学力低下4教科で、全国学力テスト経年変化分析…文科相8/1会見

 文部科学省のあべ俊子大臣は2025年8月1日、記者会見を行い、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の経年変化分析調査で、5教科のうち4教科でスコアの低下が見られたことを報告。学力低下の要因について今後、追加分析を行う予定とした。

教育行政 文部科学省
あべ俊子文部科学大臣記者会見(2025年8月1日)
  • あべ俊子文部科学大臣記者会見(2025年8月1日)
  • 2024年度全国学力・学習状況調査の経年変化分析調査結果

 文部科学省のあべ俊子大臣は2025年8月1日、記者会見を行い、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の経年変化分析調査で、5教科のうち4教科でスコアの低下が見られたことを報告。学力低下の要因について今後、追加分析を行う予定とした。

 2024年度全国学力テストの経年変化分析調査では、5教科のうち4教科でスコアの低下が見られた。学力の低下は、家庭での勉強時間の減少やテレビゲーム、スマートフォンの使用時間の増加や、新型コロナウイルス感染症による生活環境の変化の影響が指摘されている。

 あべ俊子大臣は、今回の調査結果を大変重く受け止めていると述べ、学力低下の要因については、今後、専門的な知見を活用した追加分析を行う予定とした。一方で、主体的で対話的な深い学びや、1人1台端末の活用については、一定の成果があったと報告。文部科学省は、調査結果をもとに学習指導要領の改定を進め、教育政策の改善に生かす方針を示した。

 2025年度全国学力テストの調査では、初めて男女別集計が行われ、理数系科目における興味関心の男女差が明らかになった。特に、理数系科目を得意または好きだと答える女子生徒の割合が男子生徒を下回る結果となり、性別による意識の違いが浮き彫りになった。あべ俊子大臣は、平均正答率に関して、大きな男女差はなかったと強調。今後も女子中高生に研究者等との交流の機会や探究心を涵養するための条件整備を行い、次期学習指導要領の検討に向けてしっかりと議論していきたいと述べた。

 このほか、「トカラ列島近海における継続的地震活動に関する総合調査」における助成の決定を報告。鹿児島大学理工学研究科の八木原 寛准教授を研究代表者とする研究提案が採択され、科学研究費助成事業(特別研究促進費)1,816万7,000円が助成される。また、避難所に指定されている公立小中学校の体育館の空調設置率についても言及があった。あべ俊子大臣は、空調設置率は2025年5月時点で24%にとどまっていることを踏まえ、地方自治体に対し、空調設備整備臨時特例交付金の活用を呼び掛けた。

《川端珠紀》

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