文部科学省は2025年7月2日、「Global×Innovation人材育成フォーラム」の最終まとめを公表した。「日本人の海外派遣」「優秀な外国人留学生の受入れ」「大学等の国際化」という3つの視点から、産学官がすべき具体的内容を提言している。
「Global×Innovation人材育成フォーラム」は、留学促進方策等の論点について、グローバル人材育成に関係するステークホルダーが広く集まり、意見交換を行うことを目的に設置。2024年7月から7回にわたり、議論を重ねてきた。
最終まとめでは、日本の若者の留学の現状や大学等の外国人留学生の比率が、主要国と比較して明らかに不十分であり、社会的認知の不足等が障壁になっていると指摘。「日本人の海外派遣」「優秀な外国人留学生の受入れ」「大学等の国際化」の3項目に分け、産学官が取り組むべき具体的内容を記している。
「日本人の海外派遣」については、「留学機会の提供」「留学の機運醸成」「経済的支援」という3つの側面から提言。「留学経験が成長への近道であり将来のキャリア形成でも評価されるものであるという認知を社会全体で向上させる」など、政府や産業界、地方公共団体、教育関係者に求めることを述べている。
「優秀な外国人留学生の受入れ」では、高等教育段階と初等中等教育段階に分けて、内容を整理。多様な国・地域から優秀な外国人留学生を受け入れること、受入れ体制や日本語指導体制の整備を支援していくことが重要だとしている。
「大学等の国際化」では、大学等に対し、留年・休学することなく留学できる環境の実現、外国人留学生が魅力に感じる日本人学生との多文化共修の場や生活環境の充実などを求めた。また、「留学固有の特別な支援の提供に適正な対価を求めることは大学経営上必要なこと」と明記し、大学等は外国人留学生の授業料の増額や手数料の徴収等により、持続的・安定的な学内国際体制の自律的構築に努めるべきとした。
最終まとめの概要や全文は、文部科学省Webサイトで公開している。