滋賀大学は2025年4月1日、国内の大学に先駆けてOpenAI社が提供するChatGPT Education(以下、ChatGPT Edu)を導入する。大学院教育において、実際に企業活動などで使用している生成AI技術に触れる機会を提供し、実践的なスキルを身に付ける教育環境を整備・実現していく。
昨今、文章や画像を生成する高度な能力をもつAI(生成AI)が急速に普及している。2017年にデータサイエンス学部を設置した滋賀大学は、データサイエンス・AI教育研究の中核を担い、新技術の利用を促進しつつ、懸念やリスクも考慮しながら新たな知見や価値を生み出すことを目指している。これまでも、生成AIに関する講義の実施や企業連携によるシステム開発、世界的な半導体メーカーとの共同研究など、数多くの先進的なプロジェクトを推進してきた。また、教員向けの生成AI活用ワークショップも実施し、教育現場での生成AI技術の有効活用を促進している。
ChatGPT Eduは、最先端のAI技術を活用した高度な教育支援ツールである。滋賀大学では今回、大学院教育においてChatGPT Eduを導入し、実際に企業活動で使用している生成AI技術に学生の段階から触れる機会を提供することで、実践的なスキルを身に付けられる教育環境を整備する。Canvasを用いてプログラミング学習を補助する教材としての利用や、語学学習や外国語の論文執筆に関する教育での文章添削に活用することも視野に入れており、さらに、データ分析機能を用いて学生の学習状況を分析し、個別の学習プランやアドバイスを提供することも計画している。
滋賀大学は今後、国内外の教育機関や研究機関、企業、自治体などとの連携を一層強化し、OpenAI社と共に社会へのデータサイエンス・AI技術の浸透を加速させるという。OpenAI教育部門ゼネラルマネージャーのLeah Belsky氏は、「私たちの最新の安全で高度なAI技術を日本で初めて導入する大学として、滋賀大学と協力できることを大変嬉しく思います。この取り組みによって、研究者、教育者、そして学生の皆さまの、学び、イノベーション、生産性をさらに高められるよう支援してまいります」と述べている。