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九州工業大・Kyutech ARISE・NTTデータMSE、産学連携協定

 九州工業大学、Kyutech ARISE、NTTデータMSEは2026年5月26日、組み込みソフトウェア分野におけるエンジニア育成を目的とした産学連携協定を締結したと発表した。協定に基づき、現場で活躍するエンジニアのリスキリングを対象とした教育プログラムを提供する。

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九州工業大学学長の安永卓生氏(左)、NTTデータMSE代表取締役社長の藤原遠氏(中央)、Kyutech ARISE代表取締役社長の嶺正二郎氏(右)
  • 九州工業大学学長の安永卓生氏(左)、NTTデータMSE代表取締役社長の藤原遠氏(中央)、Kyutech ARISE代表取締役社長の嶺正二郎氏(右)
  • 三者連携における役割図

 九州工業大学、Kyutech ARISE、NTTデータMSEは2026年5月26日、組み込みソフトウェア分野におけるエンジニア育成を目的とした産学連携協定を締結したと発表した。協定に基づき、現場で活躍するエンジニアのリスキリングを対象とした教育プログラムを提供する。

 モビリティ産業や製造業を中心に製品の高機能化が進む中、組み込みソフトウェアの開発規模や複雑さが増しており、開発人材の需要は一層高まっている。一方、高い専門性が求められることに加え、少子高齢化の影響によりエンジニア数は不足しており、開発人材の確保は業界全体の課題となっている。

 企業の開発現場では、実務を通じて知識や技術を習得するOJTを中心とした人材育成が行われてきた。しかし、人材不足や開発案件の増加、開発スピードの加速といった環境変化を背景に、OJTのみでは十分な育成が難しくなりつつある。大学教育においても、理論教育やプログラムは充実している一方で、開発現場や製品開発を意識した実践的な学びとの接続が求められている。

 こうした背景から、産業界と教育機関が連携し、それぞれの強みを持ち寄ることで、理論から実践までを一貫して学べる継続的な人材育成モデルの構築を目指すこととした。

 三者の役割については、九州工業大学は「理論教育」を担当。制御、OS、ソフトウェア工学などの学術的知見をもとに、教育内容の体系化やカリキュラム設計を担い、理論的背景に基づいた学びの土台を提供する。Kyutech ARISEは「翻訳・実装」を担当。産学連携を推進するハブとして、大学の学術的知見と企業の現場知見を橋渡しし、社会人向け教育プログラムとしての設計・運営を担う。NTTデータMSEは「現場知見」を担当。組み込みソフトウェア開発の現場知見を生かした教育コンテンツの提供を通じて、実践的な学びの機会を創出する。

 協定に基づき、三者は組み込みソフトウェア分野におけるエンジニア向けの教育プログラムを設計・提供する。プログラムは、C/C++やRTOS、マイコン制御といった組み込みソフトウェア開発の基盤技術から、Linux、IoT、次世代の半導体、AI(人工知能)、自動運転(SDV)、データ連携技術までを段階的に学べる体系的なカリキュラムで構成されている。

 入門・初級レベルでは、マイコン制御やリアルタイムOSなど組み込み開発の基礎を講義と演習を通じて学習する。中級レベル以降では、仕様に基づいた設計やより高度な組み込みソフトウェア開発に対応できる力の習得を想定している。

 企業の現場で求められる実践的な知識・判断力と、大学が担う理論的・体系的な学びを接続することで、単なる実装スキルにとどまらず、「要求仕様を理解し、設計判断ができる組み込みエンジニア」の育成を目指す。

 九州工業大学は「本学はこれまで、組み込みソフトウェア分野および関連分野で、教育研究を通じた専門知の創出に取り組んできました。本協定は、その知見を社会人教育へと接続し、実務に直結する新たな知として展開していく点に大きな意義があります。高い品質・信頼性・大規模システムを強みとするNTTデータMSEが有する実践知と本学の知を融合することで、単なる知識習得にとどまらず、複雑な現場において適切な設計判断と意思決定を行うことのできる人材の育成と、その成果を横展開可能な教育プログラムの構築に貢献します。本連携を通じて、産学が共に価値を創出する新たな人材育成モデルを社会に示します」とコメントしている。

 三者は今後、協定および教育プログラムを起点として、組み込みソフトウェア分野における人材育成の取組みを継続的に発展させていく方針。将来的には、特定の企業や大学に閉じない形での展開も視野に入れ、産学連携によるエンジニア育成モデルを提示・検証し、モビリティ産業・製造業の持続的な発展に貢献していくとしている。

《風巻塔子》

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