LINEヤフーは、学校向け総合ソリューション「LINEスクール」を開始し、その第一弾として「LINEスクール 連絡帳」を提供開始した。エースチャイルドと連携し、学校と保護者の連絡を「LINE公式アカウント」を通じて行えるサービスで、教職員の業務効率化を支援する。
「LINEスクール」開始の背景には、2024年12月に財務省が公表した「教師を取り巻く環境整備に関する合意」がある。これにより、保護者からの電話対応を含む外部対応・事務作業等の縮減や、校務DXの推進を通じて、今後5年間で平均の時間外在校等時間を約3割縮減し、月30時間程度にすることが目標とされている。しかし、デジタル庁の調査によると、教職員と保護者間の欠席・遅刻・早退連絡を完全にデジタル化している学校は45%にとどまっている。また、文部科学省の調査では、「月45時間」以上の時間外労働をしている教諭は、小学校で64.5%、中学校で77.1%という状況だ。これらの現状を踏まえ、教職員の労働時間削減に向けたデジタル化の推進は急務とされている。
「LINEスクール 連絡帳」は、学校と保護者の連絡を「LINE公式アカウント」を通じて行えるカスタマイズされた連絡サービス。学校からのおたより配信や遅刻欠席連絡、日程調整、学習eポータル等との連携まで、教職員専用の管理画面と各学校の「LINE公式アカウント」を通じて行うことができる。日本全国で月間約9,700万人が利用する「LINE」上で、企業や店舗が直接情報を発信できるサービス「LINE公式アカウント」と、エースチャイルドが提供する保護者連絡システム「つながる連絡」を連携し、基本機能無料で提供される。
学校・教職員はWebブラウザから「つながる連絡」の管理画面を操作することで、紙のプリントや電話、メール等を通じて行っていた諸連絡やアンケート配布、日程調整等を、学校の「LINE公式アカウント」から行うことができる。保護者は、普段利用している「LINE」上で遅刻・欠席等の連絡を行ったり、学校からの情報を受け取ったり、提出物を提出したりすることが可能だ。
「LINEスクール 連絡帳」の導入により、学校は欠席確認の電話や提出物の催促にかける時間、紙のプリントにかかる印刷代や配布の手間など、さまざまなコストを削減できる。家庭においても、忙しい朝の時間帯に電話連絡したり、子供の「プリント渡し忘れ」の心配をしたりすることがなくなり、学校・保護者双方におけるコスト削減が可能だ。
また、多くの人が使い慣れている「LINE」を利用するため、学校は保護者へのサービス説明の負担がなく、保護者も新たなアカウントを作成したり、サービスの使い方を学んだりといった負担なく利用できる点も特長。LINEヤフーが実施した調査によると、小中学校教職員、保護者のうち「学校の『LINE公式アカウント』を利用して保護者/学校との連絡が『LINE』で実施できるとしたら魅力的だと思う」人はそれぞれ7割以上おり、教職員・保護者ともに、「LINE」を活用した保護者連絡システムへのニーズは高い状況だ。
先行導入した学校では、導入運用時の保護者への説明時間が不要な点や、保護者からの高い返信率が実現できている点など教職員の業務負荷削減のほか、ペーパーレス化によりコスト削減が実現できる点を評価している。
「LINEスクール 連絡帳」のフリープランでは、学校と保護者のコミュニケーションに必要な基本機能を無料で利用できる。ベーシックプランはコミュニケーション関連機能や、管理機能などが充実しており、業務効率化やデジタル化を本格的に進めたい学校現場に適している。また、有料オプションとして集金機能などを用意しており、ニーズに合わせて追加できる。いずれのプランでも、LINE公式アカウントの利用料金はかからない。さらに、2026年3月末までは無償トライアルとして、ベーシックプランのすべての機能を無償で利用できる。
LINEヤフーは、「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届けることをミッションに掲げ、教育事業において「教育が変われば、社会は変わる。」を合言葉に、教育領域での課題解決に貢献できるよう、引き続き取り組んでいくという。