千葉県は2025年12月27日、同年6月に公表した「令和7年度(2025年度)国の施策に対する重点提案・要望」が政府予算案に反映されたことを発表した。成田国際空港の機能強化や子育て・教育施策の充実など、県が提案したさまざまな施策が政府の予算案に盛り込まれたとしている。
千葉県は、国の施策に反映されることを目指し、提案・要望活動を行ってきた。今回の政府予算案におけるおもな措置状況として、成田国際空港の機能強化に159億円が支援されることが決定した。これは、B滑走路の延伸やC滑走路の新設など、空港のさらなる機能強化を目指すもので、2028年度末の完成を予定している。
また、航空分野のグリーン施策として、運航分野・空港分野における脱炭素化の推進に80億2,000万円が計上された。持続可能な航空燃料(SAF)の製造・供給体制構築支援事業には278億円が割りあてられ、環境に配慮した航空業界の発展が期待される。
首都圏中央連絡自動車道の建設推進に関しては、効率的な物流ネットワークの早期整備・活用に3,676億円が投入される。この予算は、物流の効率化と地域経済の活性化を図るためのものである。
防災・減災、国土強靭化に向けた施策としては、社会資本総合整備に1兆3,344億円が計上された。防災・安全等に資する道路や河川の整備が含まれており、地域の安全性向上が図られる。
子育て・教育施策の充実に関しては、保育の質の向上や教育環境の整備に重点が置かれた。1歳児に係る保育士等の配置改善や処遇改善に2兆1,819億円が割りあてられ、小学校における教科担任制の拡充や35人学級の計画的な整備に1兆6,210億円が計上された。不登校・いじめ対策の推進には94億円が充てられ、スクールカウンセラーの配置充実が図られる。
経済の活性化や農林水産業の振興に向けては、京葉臨海コンビナートにおける国際競争力の強化とカーボンニュートラルの両立を目指し、水素等のサプライチェーン構築のための支援事業に357億円が計上された。農業の担い手支援には19億8,600万円が割りあてられ、有害鳥獣対策には99億円が措置された。
人材不足への対策としては、航空業界の人手不足に対応するため、グランドハンドリングにおける人材確保・育成に1億7,000万円が計上された。物流における安定した輸送力の確保には163億4,400万円が投入され、学校における支援スタッフの配置支援には121億円が割りあてられた。
千葉県の提案が政府予算に反映されたことで、地域の発展や安全性の向上、子育て・教育環境の充実が期待される。