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【相談対応Q&A】学級の係活動は不要ではないか

 クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまな相談に対応する際のポイントを聞いた。第193回のテーマは「学級の係活動は不要ではないか」。

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 学校に寄せられるさまざまな相談やクレーム。保護者や地域からの相談に先生はどのように対応するのが良いだろうか?クラス担任として豊富な経験がある鈴木邦明氏に、学校へ寄せられるさまざまな相談に対応する際のポイントを聞いた。第193回のテーマは「学級の係活動は不要ではないか」。

係活動は今の時代だからこそ必要

 夏休みが終わり、学校生活が再開された学校が多いでしょう。このタイミングで学級の係活動などの役割の決め直しをすることも多いです。

 まず、学級での係活動に関しての法的な位置付けですが、学習指導要領の「特別活動」の「学級活動」に書かれています。学習指導要領には、学級での係活動について次のように記されています。

「(1)学級や学校における生活づくりへの参画
イ 学級内の組織づくりや役割の自覚
  学級生活の充実や向上のため、児童が主体的に組織をつくり、役割を自覚しながら仕事を分担して、協力し合い実践すること。」

 学校の多忙化などを理由に「学級の係活動は無くして(減らして)も良いのでは…」という意見もあります。実際に、現在の学校はとても忙しく、慌ただしい毎日となっています。色々なところからの要望による「〇〇教育」も増えています。そういった中で、係活動を簡素化していったらという考えが出てきています。

 ただ、私は学級の係活動を無くしていく(縮小していく)ことには反対の立場です。私は、学級の係活動は、今の時代だからこそ必要なのではないかと考えています。新型コロナウイルスは社会にさまざまな影響を与えました。そういったものの1つが「人との関わり方」です。「三密を避ける」などが意識され、人との関わりを避けるような時期が続きました。学校においてはGIGAスクール構想によりタブレット/PCを用いた学びが一般化しています。そういったことによる良い点はいくつもあるのですが、問題点として、先ほどもあげた「人との関わり方」があります。今の時代だからこそ、学級の係活動のようなものが大切なのでしょう。特に実際に人と関わるような活動がより必要となってきているのだと思います。

子供のキャリア形成に影響を与える

 また、学習指導要領解説の中では「キャリア教育」について次のように記しています。

「学校での教育活動全体や、家庭、地域での生活やさまざまな活動を含め、学習や生活の見通しを立て、学んだことを振り返りながら、新たな学習や生活への意欲につなげたり、将来の生き方を考えたりする活動を行うことが必要である」

 国語や算数などの学習も将来の仕事につながることはありますが、違った意味で係活動などは子供のキャリア形成に影響を与えるでしょう。

 保護者などに対しては、上記のようなことを積極的に伝えていくと良いと思います。国語や算数などの学習については関心のある保護者も多いです。テストでの間違いなどにはすぐに対応する場合も多いです。そういったものと比べ、特別活動にあたる内容は保護者からは、わかりにくいこともあり、関心が高くないものとなっています。学校便りなどで発信していくことも良いですし、学校ホームページの中に学級の係活動をしているようすやそのねらいなどをアップしていくことも良いでしょう。保護者にねらいなどを理解してもらうことで、日々の係活動の質の向上につながっていくでしょう。

 本企画では、読者の皆さまからの質問を受け付けています。下記のボタンをクリックして表示されるフォームより送信ください。実際に学校へ寄せられた相談のほか、保護者が学校へ伝えた相談など、鈴木先生に対応方法を聞いてみたい相談事例を募集します。

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《鈴木邦明》

鈴木邦明

帝京平成大学 人文社会学部児童学科 准教授。1971年神奈川県平塚市生まれ。1995年東京学芸大学教育学部卒業。2017年放送大学大学院文化科学研究科修了。神奈川県横浜市と埼玉県深谷市の公立小学校に計22年間勤務。2018年からは帝京平成大学において教員養成に携わっている。「学校と家庭をつなぐ」をテーマに保護者向けにも積極的に情報を発信している。

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