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金融経済教育、専門知識不足や外部との連携に課題

 日本FP協会は2024年7月31日、金融経済教育に携わったことがある教員を対象とした「学校における金融経済教育に関する意識調査」の結果を発表した。専門知識の不足や外部連携など、金融経済教育における学校現場の課題などが明らかになった。

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金融経済教育をするうえで、難しいと感じていること(いくつでも)
  • 金融経済教育をするうえで、難しいと感じていること(いくつでも)
  • 金融知識を得るために取組みをするうえで困難だと感じること(いくつでも)
  • 金融経済教育における学校と外部組織との連携を進めるべきか(1つだけ)
  • 金融経済教育で、今後利用を検討している教材/利用している教材(それぞれいくつでも)
  • 金融経済教育における学校と外部組織との連携を進めるべき理由(いくつでも)

 日本FP協会は2024年7月31日、金融経済教育に携わったことがある教員を対象とした「学校における金融経済教育に関する意識調査」の結果を発表した。専門知識の不足や外部連携など、金融経済教育における学校現場の課題などが明らかになった。

 調査は2024年6月6日~10日、金融経済教育に携わったことがある全国23~60歳の小学校、中学校、高校の教員を対象にインターネットにて実施した。回答者数814。

 金融経済教育をするうえで難しいと感じていることは、「生徒にとって理解の難しい内容が多い」が最多の54.7%、ついで「教える側の専門知識が不足している」45.3%、「適当な教材がない」37.0%という結果だった。

 金融知識を得るための取組みで困難だと感じることについては、「時間的余裕がない」が58.6%ともっとも高く、「知識・情報のアップデートが追いつかない」39.8%、「適切な知識・情報をどこから収集すれば良いのかわからない」35.7%と続く。

 現在利用している教材は、「教科書」52.0%、「教科書作成会社の副読本・資料集」32.9%、「専門機関・業界団体などが提供する教材」29.5%の順、今後利用を検討している教材は「教科書」40.5%、「外部講師」38.3%、「視聴覚教材(ビデオ・DVD)」34.0%の順で多かった。

 外部組織との連携について、「連携を進めるべき(そう思う、ややそう思う)」と思っている教員が80.1%であったものの、実際に外部講師の利用を検討している教員は38.3%、現在利用しているのは26.5%であり、利用したいと考えているが、利用できていない層が一定数みられることがわかった。

 外部組織との「連携を進めるべき理由」では「高度な専門知識をもった講師の授業を受けられるから」が78.4%で最多。「教員の時間的負担が軽減されるから」47.9%、「最新の金融情報やトレンドを取り入れた教育ができるから」43.4%と続いた。

 金融広報中央委員会が実施した「金融リテラシー調査2022年」において、「学校などで教育を受けたと認識している人の割合」は7%と出ている。政府は2028年度末をめどに、この割合を20%に増やす方針を明らかにしており、今後学校現場における金融経済教育の推進が予想される。

 日本FP協会では、具体的な支援策の1つとして「パーソナルファイナンス教育インストラクターによる出張授業」を実施。おもに高校生・教員を対象に、金融経済教育を通じて、人生の夢の実現をお金の面から考えていけるよう活動に取り組んでいるという。取組みの詳細は、日本FP協会のWebサイトで確認できる。

《木村 薫》

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