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都教委、都立高2校で個人情報漏えいと一時紛失

 東京都教育委員会は2024年5月31日、都立小金井工科高等学校で約1か月間、生徒等67名分の個人情報が漏えいしていたことを発表した。また都立新宿高等学校では5月27日、生徒301人(卒業生15人を含む)の個人情報が記載されている教務手帳3冊が一時紛失していたという。

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 東京都教育委員会は2024年5月31日、都立小金井工科高等学校で約1か月間、生徒等67名分の個人情報が漏えいしていたことを発表した。また都立新宿高等学校では5月27日、生徒301人(卒業生15人を含む)の個人情報が記載されている教務手帳3冊が一時紛失していたという。

 東京都教育委員会によると、都立小金井工科高等学校の教諭が4月18日、生徒指導に関する教員の会議で使用する電子データを、教職員および生徒共有のアカウントで、公開範囲が「パブリック」となっているTeamsのチームにアップロードした。5月15日午前10時37分、他の都立学校の生徒から、教職員および生徒共有のアカウントで、Teamsで学年、クラス、氏名、入学相談の内容などが閲覧できることについて、東京都教育委員会に連絡があり、事実が発覚したという。

 閲覧できる状態となったのは、2023年度(令和5年度)卒業生12名、2024年度(令和6年度)1年生10名、2年生13名、3年生19名、4年生9名、2023年度(令和5年度)転退学者4名の計67名の生徒等の学年、クラス、氏名、入学相談の内容などが含まれた電子データの個人情報。

 事故発生後、東京都教育委員会は生徒からの連絡を受け、都立小金井工科高等学校に連絡した。都立小金井工科高等学校は電子データの確認を行い、午後3時30分ごろ、校長が電子データを削除したという。現在のところ、電子データを閲覧したことが確認できているのは、都立小金井工科高等学校の教員と、電子データについて連絡をしてきた生徒のみで、生徒が電子データを所持していないことを確認済みだとしている。また、二次被害等の報告は受けておらず、他の都立学校における同様の個人情報の漏えいについて、現在、詳細を調査中だという。

 東京都教育委員会は5月22日、全生徒に対し生徒の個人情報が漏えいした事実の説明と謝罪を行った。5月23日から、対象となる保護者等に対し、家庭訪問等により内容の説明と謝罪を実施しており、現在、対応を継続中だとしている。

 今後は再発防止に向けて、Teamsの適正な運用などに係る研修等を実施し、全教職員の理解の徹底を図り、全教職員に対し、生徒等の個人情報の取扱いのルール等について、「自己点検票(チェックリスト)」により周知・徹底するという。また、Teamsでチームを作成する際は、公開範囲を「プライベート」にするよう改めて周知・徹底し、教育委員会でチームの公開範囲が、「プライベート」の状態になっていることを定期的に点検・確認するとしている。

 また、都立新宿高等学校教諭が5月27日、2023年度(令和5年度)および2024年度(令和6年度)に担当している授業の生徒301人(卒業生15人を含む)の個人情報が記載されている教務手帳3冊を一時紛失した。教諭は午後5時25分ごろ帰宅のため電車に乗り、午後6時10分ごろ、電車内の網棚に置いた教務手帳3冊が入った鞄がないことに気付いた。車内で鞄を捜索したが見当たらず、その後、最寄り駅で紛失を届け出たが、見つからなかったという。

 5月28日午後0時45分ごろ、教諭は副校長に紛失を報告。午後5時20分ごろ、鉄道会社に紛失物について問い合わせたところ、27日午後11時40分ごろに別の駅で鞄が発見されていたとの連絡を受けた。午後7時ごろ、教諭が駅で紛失した鞄を回収し、教務手帳3冊ほか鞄の中身がすべてあることを確認したという。

 都立新宿高等学校は経緯の説明と謝罪を行うために5月29日、全校集会を開催。該当する卒業生および保護者に対しては、5月29日に電話にて経緯を説明し、謝罪した。また、5月30日には臨時保護者説明会を開催した。今後について、都立新宿高等学校では、個人情報の管理に関する研修を実施するとともに、教務手帳等の管理状況を確認し、再発防止策を教職員に周知するという。都教育委員会は、全都立高等学校長に対して、個人情報の取扱い等について再度周知・徹底を図っていくとしている。

《いろは》

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