教育業界ニュース

副校長・教頭の時間外勤務の多さ浮き彫りに…千葉県調査

 千葉県教育委員会は2024年3月11日、2023年度「学校における働き方改革推進プラン取組状況調査」の結果を公表した。ICT活用などの達成率が向上する中、副校長・教頭の時間外在校等時間の多さが浮き彫りとなり、業務負担が集中していることが明らかとなった。

教育行政 教育委員会
2023年度「学校における働き方改革推進プラン取組状況調査」市町村教育委員会
  • 2023年度「学校における働き方改革推進プラン取組状況調査」市町村教育委員会
  • 2023年度「学校における働き方改革推進プラン取組状況調査」県立学校全体
  • 2023年度「学校における働き方改革推進プラン取組状況調査」県立高等学校
  • 2023年度「学校における働き方改革推進プラン取組状況調査」県立特別支援学校

 千葉県教育委員会は2024年3月11日、2023年度「学校における働き方改革推進プラン取組状況調査」の結果を公表した。ICT活用などの達成率が向上する中、副校長・教頭の時間外在校等時間の多さが浮き彫りとなり、業務負担が集中していることが明らかとなった。

 学校における働き方改革推進プラン取組状況調査は、各市町村教育委員会(千葉市除く53市町村)および県立学校における同プランの進捗状況を検証することで、働き方改革に効果のある取組みを明らかにし、教職員の総労働時間の縮減に資するために実施。市町村教育委員会はプランに掲げた21項目、県立学校は19項目について、2023年11月1日現在の取組状況を集計している。

 市町村教育委員会において達成率が高い取組みは、「取組5:県と市町村が、業務改善等の取組みについて連携」98%(目標値100%)、「取組9:恒常的に80時間を超える職員の実態把握と指導・助言」85%(目標値90%)、「取組15:長期休業期間中に年間5日以上の学校閉庁日を設定」91%(目標値100%)。

 前年度(2022年度)と比較して取組状況が向上した項目は、「取組3:出退勤時刻を客観的に把握するシステムの構築」前年度比7%増の75%、「取組11:校務の効率化のためのICTの活用」前年度比13%増の85%、「取組19:スクール・サポート・スタッフや部活動指導員の配置」前年度比7%増の83%。前年度の達成率を上回った取組みは21項目のうち10項目であった。

 一方、「取組1:業務改善に関し、PDCAサイクルの構築」36%(目標値100%)、「取組4:働き方改革に係る全庁的な推進体制を構築」30%(目標値90%)、「取組17:研修会等の精選・改善、オンライン化を図る」32%(目標値95%)の3項目は達成率が低かった。前年度を下回った項目は21項目中9項目。中には10ポイント以上低下した項目(取組2・6・13・20)もあり、学校行事や部活動の大会、地域行事などがコロナ以前の状況に戻る中、対応に苦慮していることが一因として考えられるという。

 県立学校において達成率が高い取組みは、「取組3:教職員は月45時間を超えないよう業務の時間を調整」97%(目標値80%)、「取組5:校長はスクラップ&ビルドの観点で業務量増加に留意」91%(目標値100%)、「取組7:行事等の見直し」98%(目標値100%)、「取組8:校務効率化のためのICTの積極的な活用」91%(目標値100%)。

 達成状況が向上した項目は「取組9:学習指導に係るICTの積極的な活用」75%、「取組16:長期休業中の定時退庁と夏季休暇の取得」69%で、それぞれ前年度より6%増加。前年度の達成率を上回った取組みは、19項目中11項目であった。

 一方、「取組12:定時退勤に努める日の設定」47%(目標値80%)、「取組13:部活動の実態把握と、必要に応じた改善」48%(目標値100%)は達成率が低く、前年度を下回った項目は19項目中8項目となった。

 また、勤務実態調査結果からは、副校長・教頭の時間外在校等時間の多さが浮き彫りとなり、「取組17:学校側の窓口として、副校長、教頭、主幹教諭等を地域連携担当と校務分掌上に位置付けるとともに、必要に応じて複数の担当を置くなど、業務負担が集中しないよう留意」の達成状況が下がっていることからも対策が喫緊の課題であると強調している。

《川端珠紀》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top