大阪大学は2023年12月20日、日本電気(NEC)と学生・教職員・卒業生などの統合ID基盤「OUID(Osaka University IDentity)システム」を構築したと発表した。2024年4月から顔認証技術を活用した入場管理を学内共通インフラとして26か所に導入予定。
OUIDシステムは、NECの統合ID管理基盤システムをベースに、大阪大学に関わるすべての構成員の統合ID基盤として2023年3月に構築。クライアント証明書による認証機能を搭載しており、不正利用のリスク低減や認証時の作業負荷軽減に加え、マイナンバーカードによる本人確認も可能になるという。
第1弾として2024年4月から、NECの生体認証「Bio-IDiom(バイオイディオム)」を用いた顔認証入場管理システムを、全学共通のインフラとして大学構内26か所に設置・導入を予定。これにより、これまで建物や部屋ごとにシリンダーキーやIC・磁気カードなど異なる入場管理をしていた学内の鍵管理の業務負荷や紛失リスク、手書きの鍵貸出台帳の準備や記入といった煩雑な手続きを不要にする。
現在は、OUIDと連携したデジタル学生証・教職員証、大阪大学に関わる人財データを、厳重なセキュリティ管理のもと一元的に集約・管理し、分析・活用する基盤として「OU人財データプラットフォーム」を構築中。
今後、OUIDシステムではデジタル学生証や教職員証機能などの検討を進め、本の貸出・返却、自習室の混雑検知、授業の出欠管理、卒業後のリスキリング・リカレント教育や資格取得・活動の情報など、大学卒業後のキャリア形成にも貢献。大学全体での利活用、DX推進に繋げるとともに、将来的にはOUIDシステムを大阪大学を利用する学外にも展開するなど、社会貢献活動も視野に入れていくとしている。