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大阪大学、NECらが通学定期券のデジタル化実験

 大阪大学は2025年5月2日、NEC、大阪モノレールと通学定期券発行におけるマイナンバーカードおよび顔認証技術を活用したデジタル本人証明・資格証明の実証実験を実施したことを発表した。オンライン上での本人証明や資格証明、通学定期券を発行する手続きを検証した。

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実証実験の内容
  • 実証実験の内容
  • 大阪モノレール駅窓口における実証実験のようす
  • 実証実験を通じた将来の活用イメージ
  • さまざまなVC活用のイメージ

 大阪大学は2025年5月2日、NEC、大阪モノレールと通学定期券発行におけるマイナンバーカードおよび顔認証技術を活用したデジタル本人証明・資格証明の実証実験を実施したことを発表した。実験には、大阪大学の学生が参加し、オンライン上での本人証明や資格証明を行い、通学定期券を発行する手続きを検証した。

 この実証実験は、DX推進およびデジタル技術を活用した社会実装の一環として、通学定期券発行の利便性向上や業務効率化、不正申請防止を目的に大阪モノレール千里中央駅で2025年3月に行われた。実験では、マイナンバーカードと生体認証技術を組みあわせ、真正性の高い認証を実現する可能性を検証した。デジタル証明書には、オンライン上で流通性が高く、他の情報との照合が容易な「検証可能な資格証明(VC)」を採用した。

 実験の手順としては、まずマイナンバーカードを読み取り、顔認証により本人確認を行い、デジタル本人証明書を取得する。次に、大学の通学証明書発行サイトにデジタル本人証明書を提示し、デジタル通学証明書を取得する。最後に、鉄道会社窓口に掲示されたQRコードを読み取り、サイト上にデジタル通学証明書を提示することで、証明書の改ざん検証と顔認証による本人確認を行い、通学定期券を発行する。

 この実証実験により、通学定期券購入手続きにおける大阪大学の学生および職員の利便性向上や業務効率化に大きな効果があることが確認された。今後、得られた知見を生かし、通学定期券購入における学生や職員の負担軽減のためのオンライン化・効率化を引き続き検討していく。

 大阪大学は、2025年1月に同大に関わるすべての構成員の統合ID基盤「OUID」と連携した「デジタル学生証・教職員証」を導入しており、快適なキャンパスライフの実現を推進するだけでなく、学外での活用も視野に含めた取組みを進めている。今回の知見を生かし、デジタル身分証の拡張を進め、より便利で安全なサービス展開を目指すとともに、他大学や企業と連携しながら、社会全体に還元することを目指している。

 大阪モノレールでは、引き続き生体認証技術を活用したVCによる分散型アイデンティティの認証・本人確認の基盤整備への取組みに協力していく。大阪大学、NEC、大阪モノレールは、今回の実証実験で得られた知見を生かし、大学や企業におけるさまざまな手続きのオンライン化・効率化を推進し、組織をまたいだサービスの連携やさらなるデータ活用の社会実装を進めていくとしている。

《風巻塔子》

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