コドモンは2023年9月20日、全国の保育施設を対象に実施した保育士採用に関するアンケートの結果を公表した。保育士を「採用しにくくなってきた」と感じる保育施設は55.2%と過半数を超える結果となった。
調査は7月18日~8月4日、保育・教育施設向けICTサービス「CoDMON」を利用する全国の保育施設を対象に、コドモンがメール案内・Web回答方式で実施した。回答数は357件。
保育士採用の近年の傾向については、「採用しにくくなってきている」との回答が全体の55.2%と過半数を超える結果となった。前回調査時(2021年度)の56.7%からやや減少したものの、「採用しやすくなってきている」との回答は9.0%と、依然として保育士採用が困難な状況がうかがえる。また、直近3年以内で、早期退職やトラブルなどで、保育士採用がうまくいかなかった施設は69.2%にのぼった。
2022年度の採用人数については、「2~5人(53.5%)」がもっとも多く、「1人(24.1%)」「採用なし(16.2%)」が続いた。一方で「6人以上」を採用した施設は全体の5.3%と少数にとどまった。
採用スケジュールは、「予定に対して遅れた」と回答した施設が、前回調査時34.5%から7.2ポイント増の41.7%となり、増加傾向にあった。一方、「予定より早まった」と回答した施設は、前回調査比4.1ポイント減の3.6%で、多くの施設で採用が予定通りに進んでいない現状が浮き彫りとなった。
採用スケジュールが「例年通り」または「例年より早まった」施設に理由を尋ねると、「ホームページや求人票への掲載情報の充実(13.4%)」「園見学の際に魅力を十分に伝えられた(13.2%)」との回答が多くあがった。前回調査で最多の回答結果だった「実習生の積極的な受け入れ」は、10.9%と前回から約5ポイント減少した。
一方、採用スケジュールが「予定より遅れた」「わからない」施設にその理由を尋ねると、「新卒の応募がまったくなかった(15.4%)」「労働条件の魅力不足(14.0%)」「辞退が発生した(12.3%)」の順に回答が集まった。
求職者の応募ルートは、「ハローワーク」42.9%がもっとも多く、ついで「学校に提出している求人票」と「人材紹介」が同率で30.8%となった。また、「自施設ホームページ」は26.1%と、各施設が引き続きホームページを積極的に活用して応募者を呼び込んでいるようすがうかがえた。
採用で悩んでいる・苦労していることは、「『園の魅力』をどのように伝えればよいかわからない」が22.1%で最多となった。また「『面接』の正しい進め方」に関する回答が20.4%、「追加施策を検討したい」が20.2%、「現在の『採用手法』自体を見直したい」も17.1%と、かなりの施設が課題感を抱いていることが明らかとなった。
調査結果のレポート全文は、コドモンのWebサイトで公開している。