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東京書籍「新高等地図」大量訂正受け廃刊へ

 東京書籍は2023年8月9日、2022年度高等学校用教科書「新高等地図」で約1,200か所の大量訂正が発生したことを受け、2025年度に供給する教科書をもって廃刊することを公表した。文部科学省の永岡桂子大臣は8月15日、再発防止に向けた改善や指導の考えを示した。

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 東京書籍は2023年8月9日、2022年度(令和4年度)高等学校用の地図教科書「新高等地図」で約1,200か所の大量訂正が発生したことを受け、2025年度(令和7年度)に供給する教科書をもって「新高等地図」を廃刊することを公表した。文部科学省の永岡桂子大臣は8月15日、再発防止に向けた改善や指導の考えを示した。

 東京書籍の「新高等地図」は、2022年4月の供給後、多数の訂正個所が生じていることが判明。原因を究明する中で、工程管理に重大な不備があったことが発覚し、文部科学省への訂正申請承認後、訂正済みの教科書を希望する採用校に届けるとともに、交換希望に対応している。

 8月9日には、今回の大量訂正を受け、「新高等地図」は2025年度供給の教科書をもって発行を停止し、2026年度(令和8年度)以降は廃刊とすることを表明。廃刊にともなって生じる編集・制作のリソースを今後発行・供給する2025年度までの高等学校用地図教科書、小学校・中学校用地図教科書の再発防止策に振り向ける考えを明らかにした。

 8月15日に会見した文部科学省の永岡大臣は、「今後このような事態が生じないよう校正作業に万全を期す体制を確立するように東京書籍に強く指導した」と説明。「検定の審査期間で指摘しきれなかったことは大変遺憾」としたうえで、「教科書に対する一層の信頼確保のために審査体制など不断に改善を図りながら適切な検定審査に努めてまいりたい」と述べた。

 また、「今回の事案に限らず、文部科学省としては発行する教科書に対する責任を十分に果たしていくことを強く求めてまいりたい」と、再発防止に向けた指導にも言及した。

《奥山直美》

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