NECは2022年9月~2023年3月、文部科学省が毎年度実施する全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)に向けて、「全国の教育委員会におけるデジタルツール導入状況に関する実態調査」を行い、結果を公表した。学習eポータルは、約85%の教育委員会が導入済みであることが判明した。
文部科学省の2023年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では、中学校3年生英語の「話すこと」調査がオンライン方式で実施された。「話すこと」調査は、文部科学省が提供するCBTシステムに対応した学習eポータルの導入が必要だったため、多くの小中学校で学習eポータルの導入が進められたことが考えられるという。
一方で、日本の学校の授業におけるICT活用はOECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも大幅に遅れをとっており、日本がICT化を進めていくためにはさまざまな課題があるといわれている。「1人1台端末」が整備されてから3年が経過。全国の公立小中学校におけるデジタルツールの導入状況の実態把握を目的として、NECは調査を実施した。
調査期間は2022年9月から2023年3月。4回に分けて、電話調査を行った。調査対象は、児童生徒5,000人以上の自治体よりランダムに抽出。有効回答数は799自治体であった。
全国768自治体に学習eポータルの導入状況を聞いたところ、導入していると答えたのは604自治体(79%)、実証用を導入していると答えたのは46自治体(6%)、導入していないが118自治体(15%)であった。
学習コンテンツの導入状況(デジタル教科書を除く)について、全国799自治体に学習コンテンツの導入状況を聞いたところ、導入していると答えたのは683自治体(85%)、導入していないが116自治体(15%)であった。
また、オンライン授業支援ツールの導入状況について、全国451自治体に導入状況を聞いたところ、導入していると答えたのは319自治体(76%)、導入していないが98自治体(24%)であった。
調査の結果から、全国学力・学習状況調査実施の後押しもあり、学習eポータルの導入率が上昇傾向にあることがわかったという。NECは今後の展望と方針として、今後はそのプラットフォームにおいてデータを集約し、教員・児童生徒がデータを利活用できる状態を作り上げていくことがカギになると述べている。