パソコンでキーボード入力ができる子供が増え、小学校高学年および中学生で約9割となったことが、NTTドコモ モバイル社会研究所が行った調査から明らかになった。2018年の調査開始以来初めて、携帯電話の文字入力と並ぶ割合まで到達した。
モバイル社会研究所は、関東1都6県の小中学生とその親を対象に、2022年11月に「親と子に関する調査」を実施。今回、その中からICTに関わるスキル(小中学生が回答)についてまとめたレポートを発表した。
ICTに関わるスキルが実施可能かを6項目で調査したところ、小学校高学年、中学生ともに「携帯電話の文字入力ができる」と「パソコンのキーボード文字入力ができる」割合が約90%で並んだ。2018年の調査開始以来、小学校高学年および中学生で「携帯電話の文字入力」と「パソコンのキーボード入力」ができる割合が同じになったのは初めてのこと。
「パソコンのキーボード文字入力ができる」割合は毎年増加傾向にあり、特にGIGAスクール構想が運用された2021年以降は大きく伸びている。小学校高学年では、2020年の69%から2022年は87%に、中学では2020年の78%から2022年は91%まで伸びている。また、小学校低学年についてもその傾向はみられ、2018年の18%から、2020年は23%、2022年は39%と着実にICTスキルの1つとして低学年から身に付いているようすがうかがえる。
身に付いているICTスキルについて、タブレット・パソコンを利用した授業の頻度別にみると、キーボード入力スキルだけでなく、全項目で授業頻度の多さとICTスキルの高さが比例する結果となった。たとえば、「パソコンのキーボード文字入力ができる」割合は、授業頻度が月数回以下の場合61%なのに対し、週数回以上の場合は83%と、22%もの開きがみられた。「SNSで見せたい人にだけ情報を送る」ことができる割合は、授業頻度が月数回以下の場合は26%、週数回以上の場合は50%と、約2倍の差がついた。
情報開示やセキュリティに関する項目においてもスキルの差が生まれており、パソコン・タブレットを利用した授業を多く展開している学校では、学校の授業の中にこうした内容も含まれていることが推察される。
レポートはモバイル社会研究所のWebサイトに掲載。最新レポートとして、調査の中から「情報モラル」に関する授業についてのレポートも公開されている。