ELSA Corp.は2023年4月4日、同社が提供する英語発音矯正アプリ「ELSA Speak」に、生成AI技術を活用した新機能「ELSA GPT Voice AI Tutor」を搭載したことを発表した。この機能は現在、プライベートベータ版が提供されている。
ELSA Speakは、AI（人工知能）技術を活用した英語発音矯正アプリ。独自の音声認識技術を用いてユーザーの英語発音を分析し、ユーザーごとに個別のフィードバックを行うことで、よりネイティブスピーカーらしい流暢な英語発音の習得をサポートする。個人だけでなく、法人や教育機関向けにもサービスを提供しており、これまでに全世界で5,000万以上ダウンロードされているという。
目的にあわせ、リアルタイムで会話を生成
今回発表された「ELSA Speak Voice AI Tutor」は、今話題となっているOpenAI社の「chatGPT」と同様、生成AI（ジェネレーティブAI）技術を活用したもの。ELSA SpeakではこのELSA Speak Voice AI Tutorを相手に、自由なトピックや会話内容で英語の発音を練習することができる。
ビジネスシーンや日常会話、資格試験など、英語習得を目指す理由は学習者によって異なるが、この新機能によって、たとえばアプリ側に試験官役を任せ、英語での面接を練習することが可能となる。ユーザーの英語レベルや文脈等に合わせてリアルタイムで会話が生成されるため、より実際の会話シーンに近い自然な練習が実践できるという。
また、ELSA Speak Voice AI Tutorに対して質問をすることで、ユーザーごとの課題に沿った学習を進められる「ELSA Anything（AEA）」も搭載。「間違えた部分を詳しく教えてほしい」「例文を増やしてほしい」等の質問を通して、リアルタイムで追加の学習ができる。アプリ上で得られるフィードバックはユーザーひとりひとりに合わせてカスタマイズされる。ELSA Corp.によれば、過去の学習履歴からユーザーの長所と短所を把握するため、「家庭教師のような効果」が得られるという。
教育機関での活用
ELSA Speakは学校等の教育機関向けにも提供されているが、ELSA Corp.はリリースの中で、教師がELSA Speak Voice AI Tutorを活用した課題を生徒に課す例を紹介している。たとえば、「週末の予定についてELSAに伝える」「授業で習った新しい単語を練習して、ELSAに好きなスポーツについて話す」といったものだ。自宅でアプリを相手に発音の練習ができるため、人前で間違えることが恥ずかしい学習者にとっても有用だろう。
ELSA SpeakのSenior Business Development Managerで、神田外語大学常勤客員講師を務める高橋一也氏は自身のFacebookで、「気づきの勉強 ＋ 無限会話 というのが1つのアプリで可能となります。」「これを授業と組み合わせると新しい語学学習のスタイルが見えてきますね。」と利用を呼び掛けている。
