ソーシャルサービスは2023年4月4日、全国計142の小学校を対象に行ったICT活用の状況の実態調査の分析結果を公表した。ICT端末は、「発表・まとめ」や「調べ学習」での活用が主体となっていることが明らかとなった。
ソーシャルサービスは2023年2月1日から2月20日の期間、小学校副教材「未来クリエイター」配布を実施したことがある小学校を対象に、全国の小学校におけるICT活用の状況の実態調査をFAXアンケートにて実施。全国計142の小学校からの回答を集計し、ICTの教育利用に関する傾向と課題について、分析結果を公開した。
GIGAスクール構想で配布された児童用ICT端末のOSは、「Chrome OS」が38%、「iOS」が33%、Windows OSが28%となり、3社でほぼ100%となっていることが判明した。
自宅への持ち帰り頻度については、「毎日」もしくは「課題が出たとき」がそれぞれ約3割。「週末」を合わせると、週1回以上ICT端末を自宅へ持ち帰る児童が全体の68%だった。その一方で、「持ち帰っていない」も16%となっており、ICT端末の持ち帰り頻度は学校により異なっていることが明らかとなった。
ICT端末の活用法は、「発表・まとめ」が45.6%ともっとも多く、「調べ学習」28.7%、「デジタル教材」19.1%、「ドリル学習」11.8%、「動画(視聴・撮影)」9.6%、「集約」8.8%、「その他」7.4%が続いた。2023年度からすべての小学校の教科書にQRコードが掲載されることを踏まえ、今後は「発表・まとめ」「調べ学習」以外での活用も増えていくと同社は分析している。
児童のYouTubeの閲覧については、「子供も教員も閲覧可能」は51%、「教員のみ可能」は41%という結果を得た。このことから、授業中に動画を作成した際、約半数の児童がYouTube経由で閲覧できないと推測される。
今回の調査結果より、GIGAスクール構想により全国の児童1人1台のICT端末機器が普及しているが、授業での利用・活用状況を確認したところ、専用のデジタル教材の活用にまでは至っていないということが明らかとなった。このことから、ソーシャルサービスは小学校副教材「未来クリエイター(ミラクリ)」を通じて各小学校の実情に則した学校教育支援事業と、ICT活用のためのサポートに取り組んでいくとしている。