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子供の意見表明を支援する「アドボケイト」提言…東京都

 東京都は2023年1月13日、子供アドボケイトのあり方について、東京都児童福祉審議会から提言を受けたことを公表した。児童相談所が関わる子供の権利保障を進めるため、子供の意見表明の理解促進等、10項目を提言。意見表明等支援員のモデル実施等も盛り込んでいる。

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意見表明等支援員の導入イメージ
  • 意見表明等支援員の導入イメージ
  • 意見表明等支援体制のイメージ
  • 児童福祉審議会への申立てイメージ

 東京都は2023年1月13日、児童相談所が関わる子供の意見表明を支援する仕組み(子供アドボケイト)のあり方について、東京都児童福祉審議会から提言を受けたことを公表した。児童相談所が関わる子供の権利保障を進めるため、子供の意見表明の理解促進や支援体制の充実等、10項目を提言。意見表明等支援員のモデル実施等も盛り込んでいる。

 アドボケイトとは、権利表明が困難な者に代わり、その権利を代弁・擁護する者を指す。児童の権利に関する条約では、子供の最善の利益の確保や子供の意見の尊重等が一般原則として掲げられ、児童福祉法では子供の権利保障を理念として位置付けている。

 東京都では、2020年に策定した「東京都社会的養育推進計画」において、児童相談所が関わる子供の意見表明を支援する新たな仕組みのあり方を検討するとした背景を踏まえ、2021年11月に東京都児童福祉審議会のもとに専門部会を発足。検討の成果として今回、子供アドボケイト(児童相談所が関わる子供の意見表明を支援する仕組み)のあり方を提言した。

 子供の意見表明については、「子供の最善の利益は子供の意見表明の先にある。この前提に立ち、子供を権利の主体として尊重し、子供が意見を表明できる環境を整えていかなければならない」と指摘。「意見表明等の理解促進」「意見表明等を支援する仕組みの充実」「児童福祉審議会への申立て」という3段階の支援体制イメージをもとに10項目を提言している。

 具体的な項目は、「児童相談所職員等に対して意見表明等の重要性の理解促進を図る」「措置決定の場面等に子供の意見形成等を支援する意見表明等支援員を導入する」「措置内容について、子供本人が児童福祉審議会に申立てができる仕組みを整える」等。子供が権利について知り、意見を表明できるよう周りの大人が支援する取組みを充実。児童相談所が行う措置内容は、子供に影響を与える重大な決定であるため、意見表明の支援にとどまらず、権利擁護の仕組みを一層充実させることも求めている。

 また、意見表明等支援員の導入については、現在子供の意見表明等を支援する仕組みが他と比べて十分でない場面を優先してモデル的に開始。活動の結果を検証したうえで段階的に導入範囲を拡大すべきとしている。

《奥山直美》

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