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都内私立校の体罰は6件発生…被害数は20人に倍増

 東京都は2022年12月26日、2021年度における都内私立学校の体罰に係る実態把握の結果について公表した。私立幼稚園・中学校・高校で計6件の体罰事案が発生しており、被害児童生徒数は前年度の10人から20人と倍増した。把握のきっかけは「保護者の訴え」がもっとも多かった。

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発生学校数
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  • 被害を受けた児童生徒人数
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  • 体罰の態様/被害の状況
  • 体罰事案の把握のきっかけ/体罰事案の把握の手法

 東京都は2022年12月26日、2021年度(令和3年度)における都内私立学校の体罰に係る実態把握の結果について公表した。私立幼稚園・中学校・高校で計6件の体罰事案が発生しており、被害児童生徒数は前年度の10人から20人と倍増した。把握のきっかけは「保護者の訴え」がもっとも多かった。

 調査は、文部科学省が2021年度における体罰の実態を把握するため、全国の国私立の幼稚園(幼稚園型認定こども園を含む)、小学校、中学校、高等学校(通信制を含む)、中等教育学校、特別支援学校を対象に実施したもの。東京都では今回、このうち都内の私立学校分を公表した。

 2021年4月1日から2022年3月31日までに体罰を理由として処分等が行われたものについて取りまとめた。調査対象は、私立幼稚園811校(園児数12万4,639人、教員1万1,662人)、私立小学校55校(児童数2万5,607人、教員数2,068人)、私立中学校187校(生徒数7万8,474人、教員数9,150人)、私立高等学校241校(生徒数18万606人、教員数1万8,357人)、私立特別支援学校4校(児童生徒数233人、教員数119人)。

 発生学校数・件数は合計6校6件で、被害を受けた児童生徒数は20人。前年度の4校4件10人から学校数・件数ともに増え、被害児童生徒数は倍増した。内訳は、幼稚園1校1件1人、中学校1校1件1人、高等学校が4校4件18人。小学校と特別支援学校では、体罰事案の発生はなかった。

 体罰時の状況をみると、高等学校は4件すべてにおいて場面が「部活動」、場所が「運動場・園庭、体育館・遊戯室」となった。幼稚園は場面が「授業中・保育中」、場所が「教室・保育室」、中学校は場面が「休み時間」、場所が「廊下・階段」であった。

 体罰の態様では、「素手で殴る・叩く」3件がもっとも多く、「蹴る・踏みつける」「投げる・突き飛ばす・転倒させる」「その他」は各1件。被害の状況は、「打撲」3件、「傷害なし」2件、「外傷」1件だった。

 体罰事案の把握のきっかけについて、複数回答可で調査した結果をみると、「保護者の訴え」5件が最多で、「児童生徒の訴え」「第三者の通報」各2件、「教員の申告」1件と続いた。体罰事案の把握の手法(事情を聴取した者)について、複数回答可で調査した結果は、「被害児童生徒」「保護者」各6件、「当事者教員」5件、「その他児童生徒」4件、「その他教員」2件の順に多かった。


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《奥山直美》

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