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学校DXの現状調査速報…教員の2割がICT端末「毎日使用しない」

 GIGAスクール構想により児童生徒へのICT端末整備が進み「1人1台時代」が到来しようとしている中、教員側では「先生用タブレットが配られた」のは84%にとどまり、約2割は配布されたICT端末を「毎日使用していない」ことが、LearnMoreが実施した調査より明らかになった。

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学校DXの現状調査結果速報
  • 学校DXの現状調査結果速報
  • GIGAスクール構想推進のための先生用端末は配られたか
  • 端末配付前後の実感
  • 端末の利用頻度
  • 先生の業務内訳 速報値
  • 先生の業務の負担度・重要度・業務量の相関関係
 GIGAスクール構想により児童生徒へのICT端末整備が進み「1人1台時代」が到来しようとしている中、教員側では「先生用タブレットが配られた」のは84%にとどまり、約2割は配布されたICT端末を「毎日使用していない」ことが、LearnMoreが実施した調査より明らかになった。背景には、忙しすぎる先生の勤務実態がみられる。

 LearnMoreは2022年2月25日~3月4日の期間、全国の小・中・高校、特別支援学校の教員を対象に、学校DXの現状と先生の働き方調査のためのアンケートをオンラインで実施。110人(有効回答数102人)の回答を得た。

 GIGAスクール構想推進のための先生用端末は配られたか、との質問は「はい」83%、「いいえ」17%という結果に。1人1台端末環境が子供たちに整備されつつある中、先生用の端末整備はやや遅れている現状がみられる。子供たちの1人1台端末整備が優先された結果と思われるが、1人1台端末の効果を享受するためには先生用の端末整備は必須事項であることから、早期整備が求められる。

 ICT端末の利用頻度は、「毎日使用」78.1%、「週の大半使用」5.5%、「週に2~3回使用」7.7%、「週に1回使用」2.2%、「月に1回使用」2.2%、「ほぼ使用していない」3.3%。約2割は配布されたICT端末を「毎日使用していない」状態にあり、さらに、3.3%は「研修等の特別な時しか使わない」と、ほぼ活用していなかった。理由としては、「忙しくて新しいことに着手できない」「授業で使用するには準備が大変」「授業以外の校務で活用できていない」等があげられたという。

 ICT端末配付後の実感としては、「授業が以前よりよくなった」76.9%、「授業以外が以前よりよくなった」82.4%となり、双方向授業の実現やグループワーク、遠隔授業がしやすくなったという授業に関する意見や、学校内のペーパレス化、生徒や保護者との連絡手段の円滑化、タスク管理や情報共有がスムーズになったとの校務に関するメリットを感じている意見があげられた。

 一方で、端末ロック解除やアプリのログイン等、数名の生徒が躓くと授業が止まる、端末から校務系サーバーへアクセスできずデータ連携できていない等、「端末配備以前よりよくなっていない」との回答も15.4%みられた。

 今回の調査対象者のうち、あまりに勤務時間の長い特異者を除いた平均勤務時間は月間222時間にのぼり、所定外労働時間に換算すると63時間と、非常に忙しい先生たちの勤務実態がみえてくる。今回の調査結果から、LearnMoreが業務の負担度・重要度・業務量の相関関係を先生の働き方スキャニング(学校の健康診断)で表したところ、負担度が高く比較的重要度が低い、かつ業務量も大きい業務は「事務作業」と「会議・研修・打合せ」であることが明らかになった。

 LearnMoreは、「事務作業」「会議・研修・打合せ」はDXの効果がもっとも現れやすい分野であることから、教育現場におけるDXの波を大きくするためには、まずは授業よりも校務の業務改善にICT端末を有効活用していくところから着手することが望ましいとしている。今回、調査総数をもとにした速報結果を発表したが、今後、勤続年数による差異や担当教科、学校規模による有意差があるのかをより深く調査する予定だという。
《畑山望》

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