ランドセルの重さは増加傾向
ランドセルは小学生の象徴のようなものです。小学校1年生の子供が新しいランドセルを背負い入学式に向かう姿は、子供にとっても、親にとっても、誇らしく、嬉しいものです。近年は多様なランドセルが発売されています。そういったことと関連し、ランドセルおよびその中身に関する問題も発生しています。
小学生が重いランドセルを背負って通学しており、体にも良くないのではないかということが話題になることがあります。「ランドセル症候群」という言葉もあります。「ランドセル症候群」とは、自分の身体に合わない重さや大きさのランドセルを背負い長時間通学することによる心と体の不調を表す言葉です。ある調査によると、ランドセル(中に入っているものも含めた重量)の平均が3.97kgというものでした。また、教科書の厚さは以前よりも増しています。小学校1年生から6年生の教科書のページ数の合計は、平成17年度(2005年度)と比べ、令和2年度(2020年度)は1.7倍に増加しているという調査結果もあります。
現在、GIGAスクール構想によりタブレット/PC端末が1人1台配布されています。コロナの流行もあり、タブレット/PCを毎日持ち帰る学校もあります。ノートパソコンは子供用のモデルでも1.5kg程度はあります。タブレットであればもう少し軽いのですが、従来の持ち物に加え、PC関連グッズを持って帰るということは子供の体にとって負担が増す可能性が高くなります。
持ち帰る荷物について考えてみる
こういった状況において、学校に教科書等を置いていくというやり方をしている学校があります。妥当な判断だと私は感じます。現在は紙の教科書やノートとタブレット/PCが併用の時期です。あと数年すると、電子教科書がかなり一般的になってくることが予想されます。そういった状況になると、紙もの(教科書・ノート等)の持ち物が減ってくることが予想されます。
学校で使用するものが少なかった状況においては、基本的には「すべてのもの(教科書等)を持って帰る」というやり方で良かったのでしょう。それが先にも触れたように状況が変わりつつあります。そういった状況においては、一部を学校に置いていくということも取り組んでいくべきでしょう。
コロナを機に見直すチャンス
学校という組織はあまり変化を好まない組織です。これは持ち物に関することだけではなく、行事等も「例年通り」であることが多いです。現在の新型コロナウイルスの流行は人々の暮らしを変えています。学校も色々な部分が以前とは違ったものとなっています。今回のテーマである「持ち帰る荷物」についても、このタイミングで考えてみると良いのではと思います。
「子供の体にとってどうなのか」「何が本当に必要なのか」等についてです。何が本当に子供のためになるのかということを考える良いチャンスなのではと思います。今回の新型コロナウイルスによって学校はたくさんの苦労をしています。ただそれはマイナス面だけでなく、変化に舵を切るきっかけになるのであれば、プラス面でもあるのだと思います。
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