超教育協会は2026年4月28日、デジタル教科書の一律な活用制限に向けた大臣答弁に対し、深い懸念を表明する見解を発表した。実証研究や教育現場の知見に基づき、個別最適な学びやインクルーシブ教育を推進する基盤としての重要性を指摘。科学的根拠に基づいた慎重な検討と開かれた議論を強く求めている。
同協会は、デジタル教科書が長年の実証研究を経て、学習の質の向上や個別最適化、インクルーシブ教育の推進に資する重要な教育基盤であると指摘した。特に読上げ機能や拡大表示、記録・再生といった機能は、多様な学習者それぞれにとって不可欠な支援となっている。こうした蓄積がある中で活用を一律に制限する方向性は、実証に基づく政策形成(EBPM)の観点からきわめて慎重であるべきだと強調した。
また、本件は「学校教育の情報化の推進に関する法律(令和元年法律第47号)」が定める「すべての児童生徒がその状況に応じて効果的に教育を受けることができる環境の整備」という目的からも慎重な検討が必要な論点であるとした。デジタル教科書は単なる媒体の置き換えではなく、学びそのものを再設計する可能性をもっており、限定的な前提や不十分な理解のもとでその可能性を狭めるべきではないと警鐘を鳴らした。
さらに、教科書の本文に対し、視覚やほかの条件によりアクセスできない子供たちにとって、学年や教科による制限は大きなハンデキャップになりかねないと言及。同協会は、これまでの成果と現場の知見を踏まえ、すべての子供たちにとってより良い学びを実現するという原点に立ち返り、デジタル教科書の可能性を適切に評価し、発展させていくことを期待すると結んでいる。
同協会の会長は小宮山宏氏(三菱総合研究所理事長、東京大学第28代総長)、理事長は石戸奈々子氏(慶應義塾大学教授、CANVAS理事長)が務めている。







