教科指導内でGIGA端末を「毎日」活用している割合は、先生46%、児童・生徒26%にとどまることが2022年1月27日、JMCが公表した「GIGAスクール構想に関する意識調査」の結果から明らかになった。情報セキュリティ事故に関する心配事として、「児童・生徒による情報漏えい」をあげた先生は8割近くにのぼった。 「GIGAスクール構想に関する意識調査」は2021年8月10日~11月30日、神奈川県内の教育委員会、公立小中学校の先生を対象にWebアンケート形式で実施。1,437人の有効回答を得た。 教科指導内でGIGA端末を「週1回以上」活用している割合は、先生78%、児童・生徒68%。GIGA端末の活用は進みつつあると考えられるが、教科指導内でGIGA端末を「毎日」活用している割合は、先生46%、児童・生徒26%にとどまった。 GIGA端末の活用推進にあたっての課題は、「研修や自己研鑽の時間の不足」が46%ともっとも多く、「準備時間がかかる/どれを活用すればよいのかわからない」43%、「操作方法がわからない/操作がしづらい」33%、「ICT支援員等人的サポート・体制の不足」30%と続いた。ICT活用指導力を高めるための研修や自己研鑽の時間が不足し、多くの先生が操作方法や活用方法に課題を感じているようすがうかがえる結果となった。 情報セキュリティに関して心配なことは、「児童・生徒による情報漏えい」が78%で最多。ついで「教員による情報漏えい」58%、「外部からの不正アクセス」42%、「ウイルス感染」39%。外部からの脅威よりも、学校内に潜む脅威への意識が高いことがわかった。 今後取り組みたい授業については、GIGA端末を活用した「協働学習」や「オンライン授業」への意欲を示す回答が多く寄せられた。自由記述回答の中で頻出するキーワードを分析したところ、他校・交流・遠隔といった「学校の壁を越えた学習」、発表・共有・話し合いといった「発表や話し合い」「協働での意見整理」等に対する関心が高かった。 今後取り組んでみたい授業や活用方法についての自由記述では、「発表、資料作成、共同作業としての活用」「遠隔地の学校とのオンライン合同授業」「ICTを使って図を描いたり、話し合い活動を円滑に行ったりする」「専門家と直接オンラインでつなぎ、子供たちの疑問や質問等をリアルタイムで行う」等の回答が寄せられた。 調査を実施したJMCでは、「オンライン授業に対する意欲は高い一方、『機器の選定や接続方法がわからない』といった不安を抱える先生方も多いことがわかった。授業での使いやすさを考慮した機器の選定、導入、操作研修、授業支援等、オンライン授業の環境整備と支援体制の構築が求められている」と考察している。