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教員採用試験、スケジュール早期化を検討…文科省

 中央教育審議会の部会合同会議が2021年9月27日、オンラインで開かれた。公立学校教員採用選考試験の倍率が、小学校の全国平均で過去最低の2.7倍となる等、教師の人材確保が難しい状況にある中、教員採用選考試験時期スケジュールの早期化等を議論した。

教育行政 文部科学省
教員採用選考試験の実施スケジュールのあり方
  • 教員採用選考試験の実施スケジュールのあり方
  • 小学校の受験者数・採用者数・競争率、競争率が低い県市と高い県市
  • 中学校と高校の受験者数・採用者数・競争率
  • 国立の教員養成大学・学部卒業者の教員就職状況の推移
 中央教育審議会の部会合同会議が2021年9月27日、オンラインで開かれた。公立学校教員採用選考試験の倍率が、小学校の全国平均で過去最低の2.7倍となる等、教師の人材確保が難しい状況にある中、教員採用選考試験時期スケジュールの早期化等を議論した。

 会議は、中央教育審議会の第4回「『令和の日本型学校教育』を担う教師の在り方特別部会」と第6回「教員免許更新制小委員会」が合同で開催した。

 文部科学省によると、2020年度における公立小学校の採用倍率は過去最低の2.7倍。公立中学校(5.0倍)や公立高等学校(6.1倍)でも採用倍率が前年度より低下しており、教師の人材確保をめぐる状況は厳しい状況にある。近年は、民間企業等の採用状況が好転し、国立教員養成大学・学部卒業者の教員就職状況も平均6割台と低減傾向にある。

 会議では、教員採用選考試験の実施スケジュールのあり方について議論。民間企業の一般的なスケジュールが大学3年の3月に広報活動開始、大学4年の6月に採用選考活動開始・採用内々定解禁であるのに対し、おもに教員養成大学・学部等では大学4年前期まで教育実習があり、教員採用選考試験は大学4年の6~9月、教員採用内定は9~10月となっている。

 会議では「一定の者に大学3年時に一次試験を受験可能にする」「特定の専門性を重視した特別選考を促進する」等を例にあげ、受験時期の早期化や受験ルートの複線化も含めて教員採用選考のあり方について今後さらに検討を深める考えを示した。

 教員採用選考試験時期については、2015年に中央教育審議会が教員採用に関する改革の具体的な方向性として「国家公務員等の採用時期と比べても遅く、優秀な人材を確保する際の課題となっているとの指摘もある。就職・採用活動時期の変更の趣旨や教育実習の実施時期等も踏まえつつ、改善のための検討を進めるべきである」と答申している。
《奥山直美》

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