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水害・土砂災害の恐れ、公立学校3割…文科省調査

 浸水想定区域や土砂災害警戒区域に立地し、市町村地域防災計画で要配慮者利用施設として位置づけられている公立学校が、全体の3割を占めることが2021年6月8日、文部科学省の調査結果から明らかになった。避難確保計画作成や避難訓練を行っていない学校もあった。

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浸水想定区域・土砂災害警戒区域に立地し、要配慮者利用施設として位置づけられた学校
  • 浸水想定区域・土砂災害警戒区域に立地し、要配慮者利用施設として位置づけられた学校
  • ソフト面の対策実施状況(浸水想定区域)
  • ハード面の対策実施状況(浸水想定区域)
  • ソフト面の対策実施状況(土砂災害警戒区域)
  • 「学校施設の水害・土砂災害対策事例集」表紙
 浸水想定区域や土砂災害警戒区域に立地し、市町村地域防災計画で要配慮者利用施設として位置づけられている公立学校が、全体の3割を占めることが2021年6月8日、文部科学省の調査結果から明らかになった。避難確保計画作成や避難訓練を行っていない学校もあり、文部科学省は実施を要請している。

 近年、気候変動にともなう水害や土砂災害の激甚化・頻発化により学校でも甚大な被害が発生している。学校における水害・土砂災害対策は、避難確保計画の作成や避難訓練の実施等によるソフト面の対策と、施設整備によるハード面の対策の両方から実施することが重要となる。文部科学省は今回、公立学校を対象に水害・土砂災害対策の実施状況調査を初めて実施し、結果を公表した。

 調査対象は、全国の公立の幼稚園・幼保連携型認定こども園・小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校の計3万7,374校。2020年10月1日時点の状況を調査した。

 想定最大規模降雨により河川が氾濫した場合に浸水が想定される「洪水浸水想定区域」に立地し、市町村地域防災計画で要配慮者利用施設と位置付けられた学校は、全体の20.0%にあたる7,476校。土砂災害による被害を防止・軽減するため危険の周知や警戒避難体制の整備を行う「土砂災害警戒区域」に立地し、要配慮者利用施設と位置付けられた学校は、全体の11.2%にあたる4,192校。このうち、1.3%にあたる493校は、両区域に該当した。

 各区域に立地し、要配慮者利用施設と位置付けられた学校のうち、避難確保計画を作成している学校は浸水想定区域で85.1%、土砂災害警戒区域で79.0%。避難確保計画に基づく避難訓練を実施している学校は、浸水想定区域で71.9%、土砂災害警戒区域で67.6%であった。

 都道府県別にみると、浸水想定区域に立地し要配慮者利用施設と位置付けられた学校は「徳島県」49.5%、「福井県」44.8%、土砂災害警戒区域に立地し要配慮者利用施設と位置付けられた学校は「広島県」35.4%、「山口県」31.0%等が高い割合を示した。

 文部科学省では、6月8日に都道府県教育委員会等の学校設置者に向けて発出した通知において、調査結果を周知するとともに、水害・土砂災害対策の実施を要請。水防法や土砂災害防止法で義務付けられている避難確保計画の作成や避難訓練の実施を行っていない学校は、「学校の『危機管理マニュアル』等の評価・見直しガイドライン」を参考に2021年度中に速やかに対応するよう指導を求めている。

 また、学校設置者が水害・土砂災害対策を実施する際の参考となるよう「学校施設の水害・土砂災害対策事例集」を作成し、Webサイトに公開した。全国の教育委員会や学校の取組み事例について、「学校設置者が主体となって、水害・土砂災害から学校を守る」「防災担当部局等の要請に学校設置者が協力し、水害から地域を守ることに学校が貢献する」という2つの視点で整理し、ソフト面の取組事例、学校施設の水害・土砂災害対策に活用できる補助制度等も掲載している。
《奥山直美》

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