文部科学省は2021年3月17日、デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議の中間まとめを公表した。2024年度からデジタル教科書の本格的な導入を目指すにあたり、紙の教科書との関係をどのようにすべきか、実証研究などを踏まえて詳細に検討する必要があるとしている。 文部科学省は、児童生徒1人1台端末環境におけるデジタル教科書・教材の活用促進について専門的な検討を行うことを目的に「デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議」を2020年6月11日に設置した。検討会の開催期間は、2021年7月31日までを予定している。 3月17日に発表したデジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議の中間まとめでは、デジタル教科書をめぐる現状や導入の意義、本格的な導入に向けて必要となる取組について、14ページにわたって記載されている。 紙の教科書とデジタル教科書との関係については、令和6年度(2024年度)からデジタル教科書の本格的な導入を目指すにあたり、紙の教科書との関係をどのようにすべきか、詳細に検討する必要があるとしている。全国的な実証研究や関連分野における研究の成果などを踏まえつつ、財政負担も考慮しながら検討するという。 萩生田文部科学大臣は3月16日の記者会見で、次の小学校用教科書の改訂時期である令和6年度(2024年度)にデジタル教科書を本格的に導入する最初の契機としてとらえていると述べた。中間まとめの方向性を踏まえ、2021年度予算事業を通じてデジタル教科書の普及促進や実証研究を行う。 当面は、デジタル教科書の良い面と悪い面の両面をしっかり見ながら、紙の教科書との併用も視野に入れて実証研究を続けていきたいという。「2024年度までに完全移行することが前提ではない」と強調し、一歩一歩着実にスモールステップで進めることが重要であり、慎重な対応をしていきたいとの意向を示した。